介護の臭い対策|原因別の消し方と部屋の消臭を専門家が解説

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「親の介護は頑張りたいけれど、部屋の『臭い』だけはどうしても気になってしまう…」

「来客のたびに、介護の臭いがしないかとヒヤヒヤする」

「消臭剤をいろいろ試したのに、一時的に消えるだけで根本的に解決しない」

大切なご家族の介護に向き合うなかで、部屋に漂う「介護の臭い」は、身体的な負担に加えてデリケートな悩みの種になりがちです。排泄物や体臭、口臭、室内のこもった臭いが混じり合うと、いくら換気や消臭をしてもなかなか消えず、来客をためらう原因にもなりかねません。

実は、これはあなただけの悩みではありません。ある調査では、介護する人・される人の過半数が介護現場のニオイにストレスを感じていると報告されています。臭いは、多くのご家庭が静かに抱えている共通の課題なのです。

そして、結論からお伝えします。
介護の臭いは、発生源を正しく特定し、その性質に合った方法で『元から断つ』ことで、大きくやわらげることができます。表面的な消臭に頼るのではなく、原因別の対策を積み重ねることで、あなたと親御さんの生活空間は着実に変わっていきます。

この記事では、臭いの正体を科学的に理解したうえで、【身体】【排泄】【生活環境】の3つの側面から具体的な対策を解説します。さらに、消臭グッズの選び方、臭いに隠れた健康のサイン、親を傷つけない伝え方、そして住まいの工夫まで、一歩踏み込んでご紹介します。

この記事でわかること
  • 介護の臭いの4つの発生源と、なぜ消えにくいのか(中和の基本)
  • 【身体】【排泄】【生活環境】別の、今日からできる具体的な対策
  • 仕組みで選ぶ消臭グッズの使い分け(消す/閉じ込める)
  • その臭い、体調のサインかも?健康リスクと受診の目安
  • 親の尊厳を守る伝え方と、住まいの工夫による根本的な解決策

なぜ介護に独特の臭いが生まれるのか|実態と発生源を理解する

「介護の臭い」と一言で言っても、その原因は一つではありません。まずは、悩んでいるのは自分だけではないという事実と、臭いの正体・発生源を正しく知ることが、効果的な対策への第一歩になります。

数字で見る、介護のニオイ問題

介護の臭いは、多くのご家庭が抱える共通の悩みです。

小林製薬が2025年に発表した調査では、介護現場の悩みは従来の「3K(きつい・汚い・危険)」に加えて「くさい」を含む「4K」へと変わり、介護する人・される人の過半数が、介護現場のニオイによってストレスを感じていることが報告されています。悩みの多いニオイは「尿臭」「便臭」「体臭」の順でした1

在宅介護に絞った調査でも、空間や物に染みついたニオイを「気になる」と感じる在宅介護者は約7割にのぼります2。さらに、そのうち43.6%が「ニオイがするから他人を家に入れたくない」と答えており、臭いの悩みが来客をためらわせ、介護する家族を孤立させてしまう面があることがうかがえます3

だからこそ、臭いは「気のせい」や「我慢するもの」ではなく、原因を特定して対処できる課題として向き合う価値があります。

介護臭の4つの発生源

介護の現場で感じる独特の臭いは、主に次の4つの発生源が絡み合って生じます。介護施設を対象とした調査でも、気になるニオイの上位は「排泄物臭」「体臭」「部屋に染みついたニオイ」の順とされており4、在宅でもこの傾向は共通します。

  • 排泄物(尿・便)の臭い:アンモニアや硫化水素、スカトールといった成分が原因です。特に高齢者の尿は濃縮されやすく、独特の臭いを放ちやすい傾向があります。
  • 体臭・加齢臭:高齢になると皮脂腺から分泌される「ノネナール」という物質が増え、これが酸化して「加齢臭」と呼ばれる臭いを生みます。汗や皮脂、垢の蓄積でも体臭は強まります。
  • 口腔内の臭い:唾液の減少や歯周病、入れ歯の清掃不足などで口腔内の細菌が増え、口臭の原因になります。食事の介助時など、介護者が特に気になる臭いの一つです。
  • 生活環境の臭い:食べこぼし、湿気、カビ、洗濯不足の布団や衣類、ゴミの放置など、生活環境そのものから出る臭いも複合的に混じり合います。

これらは単体でも発生しますが、介護環境では複数が混ざり合い、より複雑で不快な臭いになりがちです。

なぜ消えにくいのか?臭い物質の特性と「中和」の基本

介護臭の原因物質には、それぞれ特有の性質があります。この性質を知ることが、効果的な対策につながります。

  • アンモニア(尿臭):アルカリ性で水に溶けやすく、揮発性が高いのが特徴です。壁やカーテンにも吸着しやすく、部屋全体に広がりやすい性質があります。
  • ノネナール(加齢臭):油に溶けやすく水に溶けにくいため、衣類や寝具の繊維に絡みつきます。一般的な洗濯では落ちにくく、蓄積しやすい点が厄介です。
  • インドール・スカトール(便臭):ごく少量でも強い臭いを放ち、広い範囲に拡散します。こちらも壁や布製品に吸着しやすい性質があります。

これらの臭い物質は空気中を漂うだけでなく、家具や壁、布製品に吸着し、そこから再び臭いを放ち続ける「二次臭」の原因にもなります。これが「換気や消臭剤を使っても、なかなか臭いが消えない」と感じる理由です。

そこで対策の基本になるのが「中和」です。アルカリ性の臭いには酸性を、酸性の臭いにはアルカリ性をぶつけることで、臭いを化学的に打ち消せます。臭いの種類ごとに整理すると、次のようになります。

悩みの臭い主な成分化学的性質効果的な家庭用中和剤
尿臭アンモニアアルカリ性クエン酸、お酢
便臭インドール、スカトール酸性寄り重曹、セスキ炭酸ソーダ
汗・体臭脂肪酸酸性重曹
加齢臭ノネナール油性・脂肪性洗剤(界面活性剤)による分解

【原因別】介護の臭いを元から断つ具体的な対策

臭いを根本から減らすには、発生源を特定し、臭い物質の特性に合わせて「元から断つ」ことが大切です。ここでは具体的な対策を【身体】【排泄】【生活環境】の3つに分けて解説します。

【身体】清潔ケアで体臭・口臭・加齢臭を防ぐ

最も大切なのは、本人を清潔に保つことです。体臭や口臭の発生を抑えることが、介護臭対策の土台になります。

身体の清潔ケア

  • 入浴・清拭の習慣化
    毎日湯船につかれない場合でも、シャワー浴や蒸しタオルでの清拭を毎日行いましょう。汗腺の多い脇の下、股の付け根、足の指の間などは丁寧に拭き取ります。入浴後の保湿ケアも、皮膚の乾燥を防ぐために忘れずに。
  • 衣類・寝具の交換と洗濯
    汗や皮脂、ノネナールは衣類や寝具に付着します。できれば毎日、少なくとも2〜3日に一度は交換しましょう。加齢臭の原因であるノネナールは油に溶けやすいため、水洗いだけでは落ちにくいのが特徴です。皮脂を分解しやすい弱アルカリ性の洗剤や酸素系漂白剤を使い、40度程度の温水で洗うと、繊維の奥の臭いを溶かし出しやすくなります。
  • 通気性の良い服装
    吸湿性・通気性の良い綿や麻の衣類を選び、汗をかきにくい環境を整えると、体臭の発生を抑えやすくなります。

口腔ケア

口腔ケアも、口臭対策としてだけでなく健康面でも重要です(理由は後の「臭いと健康リスク」で解説します)。

  • 毎食後の丁寧な歯磨き
    歯ブラシに加え、歯間ブラシやデンタルフロスも使い、歯周病予防に努めます。介助が必要な場合は口腔ケア用のスポンジブラシも有効です。
  • 入れ歯の洗浄と保管
    外したら専用ブラシで洗い、洗浄剤に浸して保管します。不潔な入れ歯は口臭だけでなく、肺炎の原因にもなります。
  • 口腔内の乾燥対策
    唾液が少ない場合は保湿ジェルやこまめなうがいで口の中を潤します。舌ブラシで舌の汚れ(舌苔)を取るのも効果的です。

【排泄】排泄物の処理と管理を徹底する

排泄物の臭いは、介護臭の最大の原因の一つです。速やかな処理と、臭いを拡散させない工夫が求められます。

  • 汚物処理は迅速に
    排泄があったら、すぐに処理することが最も重要です。時間が経つほど臭い物質が空気中に拡散し、周囲に吸着してしまいます。
  • 皮膚の清拭と保護
    排泄後はぬるま湯で湿らせたタオルや清拭剤で優しく拭き取り、必要に応じてスキンケア用品で保護します。ゴシゴシこすらないことが、皮膚トラブルの予防にもつながります。
  • おむつ・パッドの選び方
    高吸収性ポリマー配合の製品は、尿をジェル状に固めて臭いを閉じ込めます。本人の尿量や活動量に合った吸収力のものを選びましょう。
  • こまめな交換
    「まだ大丈夫」と思っても、目安として2〜3時間で交換を。臭いを抑えるだけでなく、皮膚トラブルの予防にもなります。

ポータブルトイレを使う場合は、次の3点を徹底すると、臭いの発生源になることを防げます。

  • 事前準備
    専用の消臭剤や凝固剤を便器に入れておくと、臭いの発生を抑え、処理も楽になります。使用済みのおむつやパッドは、一つひとつを専用の防臭袋に入れてから、フタ付きで密閉性の高いゴミ箱に捨てましょう。
  • 即時処理
    溜まったゴミはできるだけ早く屋外のゴミ置き場へ。すぐに出せない場合は、臭いが漏れない工夫をして一時保管します。
  • 定期洗浄
    トイレ本体は定期的に丸洗いし、天気の良い日は屋外で日光に当てて乾かします。紫外線には天然の殺菌効果があります。

なお、おむつの選び方や漏らさない当て方、トイレ誘導の進め方など、排泄介助そのものの手順とコツについては、「排泄介助の基本とコツ|おむつ交換・トイレ誘導・ポータブルトイレの選び方」でくわしく解説しています。

【生活環境】部屋にこもる臭いを取り除く

本人や排泄物への対策と並行して、生活空間そのものの臭い対策も大切です。臭い物質が定着しない環境をつくりましょう。

  • 効率的な換気
    窓を2か所開けて空気の通り道をつくる「対角換気」を、1日に数回、数分ずつ行いましょう。室内の空気を保つ目安として、1人あたり毎時約30立方メートルの換気量、二酸化炭素濃度1,000ppm以下という基準が知られています5。冬場でも短時間の換気は必須です。
  • 適切な湿度管理
    湿度が高すぎるとカビや雑菌が繁殖し、臭いの原因になります。逆に乾燥しすぎても、本人の口や喉の防御機能が下がります。おおむね湿度40〜60%を保つことが、臭いの抑制と感染症予防の両方に役立ちます6
  • 床・家具の拭き掃除
    臭い物質は床や家具の表面にも付着します。週に数回、水拭きや専用クリーナーで拭き掃除を。排泄物で汚れた可能性のある場所は、消臭効果のあるもので拭き取ると良いでしょう。
  • 布製品のケア
    カーテン・寝具・カーペットは臭いを吸着しやすいため、定期的な洗濯や天日干しを。洗えないものは消臭スプレーやスチームクリーナーでケアします。

なお、介護部屋そのものの選び方・広さ・ベッドやポータブルトイレの配置といった「部屋づくり」全般については、介護部屋の作り方をまとめた記事で詳しく解説しています。臭いがこもりにくい間取りや動線の考え方は、介護しやすい家の間取りの記事もあわせてご覧ください。

消臭グッズ・製品の選び方|仕組み別に使い分ける

市場には無数の消臭製品があふれていますが、その「作用する仕組み」で分けて考えると、選びやすくなります。状況に応じて最適なものを選ぶことが成功の鍵です。

まずは「消す」と「閉じ込める」で整理する

消臭の考え方は、大きく2つに分かれます。臭い分子そのものを化学的に処理する「消す」(中和・酸化分解・調香)と、臭いを物理的に出さないようにする「閉じ込める」(吸着・遮断)です。

発生源には「消す」、ゴミや汚物には「閉じ込める」と、役割で使い分けると無駄がありません。

仕組み別の4タイプ

  • 中和剤
    クエン酸や重曹など、化学反応で臭いを打ち消すタイプ。床にこぼれた尿など、直接的な汚れに効果的です。
  • 吸着剤
    活性炭やゼオライトなど、臭い分子を物理的に吸い取るタイプ。おむつ用ゴミ箱のそばやクローゼットなど、閉鎖空間での持続的な対策に向いています。
  • 化学的分解・調香タイプ
    次亜塩素酸で臭い分子を酸化分解するもの7や、悪臭成分を香りの一部として取り込み、全体として心地よい香りに変える「調香技術」を使ったもの8などがあります。部屋全体に漂うしつこい臭いに向いた、先進的なアプローチです。
  • マスキング剤
    アロマや香り付きスプレーなど。あくまで発生源を清掃したあとの「仕上げ」として限定的に使います。悪臭と香りが混ざるとかえって不快な複合臭になる危険があるため、使いすぎには注意が必要です。

使用済みおむつのように発生源を断ちにくいものは、臭いを通しにくい特殊な多層フィルムの防臭袋に入れ、空気を抜いて口を結ぶことで、室内への漏れを物理的に遮断できます9

また、衣類や空間の尿臭・便臭には、悪臭成分を感じにくくしつつ良い香りに変える専用洗剤・消臭剤も市販されています10

場面別の選択マトリクス

どの製品をいつ使えばよいか。お店の棚の前で迷ったときの参考にしてください。

状況・臭いの発生源最適な仕組み推奨される製品タイプ製品例
床やカーペットにこぼれた尿中和クエン酸スプレー自家製でも可
おむつ用ゴミ箱の持続臭吸着・中和活性炭シート、重曹、専用シート介護用の消臭シート
部屋全体の複合臭化学的分解・吸着空間除菌脱臭機、高性能ゲル・ビーズ次亜塩素酸タイプ/調香タイプ
洗えない布製品(ソファ・カーテン等)中和・調香布用消臭スプレー介護向け消臭ストロング系
ポータブルトイレの受けバケツ内中和・マスキング専用消臭液ポータブルトイレ用消臭剤

その臭い、体調のサインかもしれません|臭いと健康リスク・受診の目安

臭いは不快なだけのものではありません。本人の身体から出る臭いの変化は、体調の異変を知らせる大切なサインになることがあります。消臭でただ覆い隠すのではなく、日々の観察の手がかりとして活用したいポイントです。

口臭の急な悪化は、誤嚥性肺炎のリスクと関係することがある

高齢になると唾液が減り、口の中が乾燥して歯周病菌などの細菌が増えやすくなります。同時に、飲み込む力やむせる反射が衰えると、細菌を含んだ唾液が気管から肺に入り込み、誤嚥性肺炎につながることがあります。

実際、毎日の丁寧な口腔ケアや歯科専門職による定期的なケアを続けることで、口腔内の細菌が減り、発熱や誤嚥性肺炎のリスクが下がると報告されています11

口臭が急に強くなったときは、単なるエチケットの問題ではなく、口腔ケアを見直すサインと考えると良いでしょう。

排泄臭の変化が示す体調のサイン

尿や便の臭いの変化も、体調を知る手がかりになります。あくまで「気づきのきっかけ」としてですが、次のようなケースは注意したい傾向です。

  • 排尿直後から異常に強いアンモニア臭がする場合は、水分不足で尿が濃縮された脱水のサインの可能性があります。
  • 尿が濁り、強い異臭を伴う場合は、膀胱炎などの尿路感染症が隠れていることがあります。
  • 便の臭いが普段と大きく違う(強い腐敗臭・血のような臭い)場合は、消化器の不調が考えられます。

大切なのは「消す」前に「気づく」こと

こうした変化に気づいたら、消臭スプレーの量を増やして覆い隠すのではなく、「いつもと違う強い臭い」として記録し、訪問看護師や主治医に相談することが大切です。

ただし、臭いだけで素人判断をして独自の対応をとるのは危険です。たとえば、アンモニア臭が強いからといって心臓に持病のある方に大量の水分を飲ませると、かえって体に負担をかけることがあります。

臭いの変化はあくまで受診や相談の「目安」とし、実際の判断は必ず専門職に委ねましょう。

臭い対策を進める前に知っておきたい心構え

具体的な対策と合わせて、介護者として知っておきたい心構えがあります。臭い対策を無理なく、そして相手の尊厳を守りながら進めるためのポイントです。

「臭いに慣れる」ことは、実は要注意

毎日介護に携わっていると、人はその臭いに「慣れて」しまいます。これは嗅覚順応という生理現象で、同じ臭いを嗅ぎ続けると感覚が鈍くなるためです。つまり、介護者が「もう臭わない」と感じていても、来客や訪問ヘルパーには強い臭いとして伝わっていることがあります。

たまに外の空気を吸ったり、家族に客観的な意見を聞いたりして、定期的に「嗅覚のリセット」を心がけましょう。臭いが残るのは、あなたの努力不足ではなく、こうした仕組みの問題でもあるのです。

親を傷つけずに「臭い対策」を進めるコミュニケーション

介護される側は、自分の体臭や排泄物の臭いを指摘されることに強い抵抗を感じます。ある調査では、介護者の約6割が、ニオイ改善のための言葉を本人に直接かけていないと答えており、家族間で切り出しにくい、デリケートな問題であることがうかがえます12

親のプライドを傷つけないよう、次のような配慮が役立ちます。

  • 「自分のため」を伝える:「お客様に気持ちよく過ごしてほしいから」など、介護者自身の理由として伝えると、相手も受け入れやすくなります。
  • 褒め言葉から入る:「いつも清潔にしていてすごいね」と努力を認めたうえで、「もっと気持ちよく過ごすために試してみない?」と提案します。
  • 一緒に選ぶ:消臭剤やおむつを一緒に選び、「一緒に解決する」姿勢を見せると、前向きに取り組んでもらいやすくなります。
  • 無理強いはしない:受け入れてもらえないときは焦らず、できる範囲から少しずつ始めましょう。

どうしても家族からは言いにくいときは、訪問看護師やケアマネジャーなど「第三者の専門職」から、健康管理の一環として伝えてもらう方法もあります。客観的な立場からの助言なら、本人も受け入れやすく、家族間の関係もこじれにくくなります。

抱え込まず、プロの力を借りる

臭いの問題は、家族だけで抱え込む必要はありません。介護保険サービスや専門職を上手に頼ることで、負担は大きく軽くなります。

  • 訪問看護師
    身体の清潔ケアやスキンケアを指導し、尿臭・口臭の変化から病気の可能性に気づいてくれることもあります。
  • 訪問介護員(ヘルパー)
    入浴介助や清拭、衣類の交換、室内清掃など、清潔な環境を保つサポートをしてくれます。
  • 訪問入浴介護
    専用の浴槽を自宅に持ち込み、チーム体制で入浴を支えるサービスです。寝たきりなどで入浴が難しい場合でも、皮膚に蓄積した皮脂汚れを洗い流せるため、体臭の根本的な改善に直結します。
  • ケアマネジャー/地域包括支援センター
    「臭いが気になる」という悩みを伝えれば、それに応じたサービスを提案してくれます。何から相談すればよいか分からないときは、お住まいの地域包括支援センターが最初の窓口になります。
    ※利用条件やサービス内容は地域差があるため、自治体の最新情報で要確認。

住まいの工夫で、臭いを根本からやわらげる

臭い対策は日々の地道な積み重ねが基本です。しかし、毎日の換気や掃除を続けても臭いが戻ってしまう背景には、住まいの構造そのものが関係していることもあります。

換気の通り道がない、湿気がこもりやすい、介護スペースと家族の生活空間が近すぎる——こうした条件があると、どれだけ対策しても臭いはこもりがちです。

そこで、住環境そのものを見直すという視点が役立ちます。臭いがこもらない間取りや換気動線の考え方は介護しやすい家の間取りの記事で、部屋づくりの具体策は介護部屋の作り方の記事で解説しています。また、臭いと並んで住環境のストレスになりやすい「音」の問題は、介護用住宅の防音対策の記事も参考になります。

C’ZBシニアリビングという選択肢

住環境から根本的に解決する方法の一つが、母屋の庭に独立した介護専用ハウスを設置する「別棟介護」です。私たち株式会社アイデアが提供する「C’ZB(シーズビー)シニアリビング」も、その一例です。仕様としては、次のような特徴があります。

  • 独立した空間のため、排泄物や体臭、薬の臭いが母屋の生活空間に流れ込みにくい構造です。
  • 高断熱・高気密設計で、温度・湿度を保ちやすく、換気効率の向上にもつながります。
  • 給排水を接続すればトイレや浴室の設置も可能で、排泄物をその場で処理できるため、臭いの発生源を断ちやすくなります。
  • リフォーム工事が不要で、使い終わった後は買取が可能な場合もあります。

ただし、別棟介護がすべての世帯に向くわけではありません。設置には庭などのスペースと、初期費用・設置条件のクリアが前提になります。費用・工期・将来の扱いなどを、他の選択肢と比較して考えることが大切です。

  • 検討する価値があるケース
    母屋とは空間を分けたい、プライバシーや臭い・音のストレスを根本から減らしたい、将来的に移設や買取も視野に入れたい世帯。
  • 慎重に検討したいケース
    設置スペースに余裕がない、初期費用を抑えたい、短期間の利用のみを想定している場合は、リフォームや福祉用具での対応、施設利用など他の選択肢が合うこともあります。

臭いの問題を「住まいの工夫」という側面から見直すことで、毎日の対策を頑張り続けなくても臭いがこもりにくい環境に近づけます。気になる方は、サービスの詳細やデメリットも含めて、お気軽にご相談ください。

よくある質問

Q
介護の臭いの主な原因は何ですか?
A

複数の臭いが混ざり合った複合臭です。主な発生源は、尿や便から出るアンモニアなどの「排泄物の臭い」、皮脂の酸化による「体臭・加齢臭」、お口の中の「口臭」、そして部屋のカビや食べこぼしによる「生活環境の臭い」の4つです。これらが絡み合うことで、独特で消えにくい臭いになります。

Q
消臭スプレーを使っても、部屋の臭いがすぐ戻るのはなぜですか?
A

臭いの元が壁やカーテンなどに染み付いているからです。臭いの原因物質は空気中だけでなく布製品や壁紙にも吸着し、そこから再び臭いを放ち続けます。スプレーで一時的に消すだけでなく、対角換気や床・家具の拭き掃除を行い、発生源そのものを取り除くことが大切です。

Q
洗濯しても衣類の加齢臭が取れないのはなぜですか?
A

加齢臭の原因物質「ノネナール」が油に溶けやすく、繊維に絡みつくからです。水に溶けにくいため、通常の水洗いだけでは落としきれません。皮脂を分解しやすい弱アルカリ性の洗剤や酸素系漂白剤を使い、40度程度の温水で洗うと、繊維の奥の臭いを溶かし出しやすくなります。

Q
親を傷つけずに臭い対策を始めるには、どう伝えればいいですか?
A

「あなたのため」ではなく「自分のため」という視点で伝えるのがコツです。「お客様に気持ちよく過ごしてほしいから」のように介護する側の希望として伝えると、相手も受け入れやすくなります。それでも切り出しにくいときは、訪問看護師やケアマネジャーなど第三者の専門職から、健康管理の一環として伝えてもらう方法もあります。

Q
臭いが急に強くなったときは、気をつけることはありますか?
A

体調の変化を知らせるサインの可能性があるため、注意が必要です。排尿直後からの強いアンモニア臭は脱水、尿の濁りと異臭は尿路感染症、口臭の急な悪化は口腔内細菌の増加などが背景にあることがあります。消臭で覆い隠さず、「いつもと違う」と感じたら訪問看護師や主治医に相談しましょう。ただし臭いだけで自己判断せず、対応は必ず専門職に委ねることが大切です。

まとめ|原因を知れば、介護の臭いは確実にやわらげられる

介護の臭いは多くのご家庭が抱える悩みですが、原因を正しく理解し、その性質に合った対策を積み重ねれば、確実にやわらげていけます。大切なのは、表面的に消すのではなく、発生源を「元から断つ」という視点です。

この記事のポイントを振り返っておきましょう。

  • 臭いの正体を知る:介護臭は排泄物・体臭/加齢臭・口臭・生活環境の4つが混ざった複合臭。性質に合わせて「中和」するのが基本です。
  • 原因別に対策する:【身体】の清潔ケア、【排泄】の速やかな処理と防臭、【生活環境】の換気・湿度管理の3軸で取り組みます。
  • 消臭グッズは仕組みで選ぶ:「消す」と「閉じ込める」を使い分けると無駄がありません。
  • 臭いは健康のサインにもなる:急な変化は受診の目安に。ただし自己判断せず専門職に相談を。
  • 抱え込まない:嗅覚順応や尊厳に配慮しつつ、訪問看護・ヘルパー・訪問入浴などプロの力も借りましょう。

そして、毎日の対策を続けても臭いがこもってしまうなら、住まいそのものを見直すことも一つの方法です。私たち株式会社アイデアの「C’ZB(シーズビー)シニアリビング」は、生活空間を分けて臭いの悩みを根本からやわらげる選択肢の一つです。向き不向きも含めて、まずは気軽に情報を見てみるところから始めてみてください。

臭いに振り回されず、あなたとご家族が心穏やかに過ごせる毎日へ、今日から一歩を踏み出しましょう。

脚注

  1. <介護現場の”ニオイ”に関する実態調査>お悩みは「3K」ではなく「4K(くさい)」だった|小林製薬株式会社(2025年11月発表) https://www.kobayashi.co.jp/newsrelease/2025/20251111_01/ ↩︎
  2. 在宅介護者への「コロナ禍の介護」に関する調査(空間や物のニオイが「気になる」計 約7割=非常に気になる25.8%+やや気になる45.8%)|エステー株式会社(2022年11月発表) https://www.st-c.co.jp/news/newsrelease/2022/20221102_001836.html ↩︎
  3. 在宅介護者への「コロナ禍の介護」に関する調査(ニオイがするから他人を家に入れたくない 43.6%)|エステー株式会社(2022年11月発表)https://www.st-c.co.jp/news/newsrelease/2022/20221102_001836.html ↩︎
  4. 介護施設のニオイに関する意識・実態調査2025(気になるニオイ:排泄物臭・体臭・部屋の染み付き臭)|パナソニック株式会社 https://www2.panasonic.biz/jp/air/fan/ap/researchreport/pdf/20250806_kaigoshisetsu_nioi.pdf ↩︎
  5. 介護施設の感染症対策には換気と湿度管理が重要(必要換気量・CO2濃度・湿度40〜60%の目安)|竹内エアソリューション https://airsolution.takeuchi-corp.com/blog/36 ↩︎
  6. 介護施設の感染症対策には換気と湿度管理が重要(必要換気量・CO2濃度・湿度40〜60%の目安)|竹内エアソリューション https://airsolution.takeuchi-corp.com/blog/36 ↩︎
  7. 空気を「洗う」。次亜塩素酸を操るパナソニックが生んだ空間除菌脱臭機(ジアイーノ)の仕組み|Panasonic https://panasonic.co.jp/hvac/media/article/ziaino/ ↩︎
  8. 不快な臭いがよい香りに変化―シキボウの消臭加工技術 DEOMAGIC(調香技術)|健康メディア.com https://www.kenko-media.com/food_devlp/2234/ ↩︎
  9. 医療向け開発から生まれた防臭力 臭わない袋 BOS|クリロン化成株式会社 https://www.kurilon.co.jp/upload/pamphlet_bos.pdf ↩︎
  10. 花王 パワフル消臭ストロングシリーズ(尿臭・便臭対応の消臭技術)|花王株式会社 https://www.kao.co.jp/s-strong/ ↩︎
  11. 口腔ケアと誤嚥性肺炎予防(口腔ケアによる細菌減少・発熱や肺炎リスクの低下)|歯を守る歯科 西新宿五丁目/大阪国際がんセンター https://nishishinjuku-dental.com/column/koukucare-goenseihaien/ ↩︎
  12. <介護現場の”ニオイ”に関する実態調査>お悩みは「3K」ではなく「4K(くさい)」だった|小林製薬株式会社(2025年11月発表) https://www.kobayashi.co.jp/newsrelease/2025/20251111_01/ ↩︎