介護ベッド・車椅子の選び方|費用を抑える賢い借り方・買い方

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在宅での介護生活が始まるとき、多くの方が最初に直面するのが、「介護用ベッド」や「車椅子」といった福祉用具の準備です。

退院の日が迫る中、

「どんな機能を選べばいい?」
「うちの場合はどれが合うの?」
「レンタルと購入、どっちが損しない?」
「介護保険の補助は使えるの?」

――次から次へと疑問がわいて、不安になっていませんか。

福祉用具は、ご本人の自立と安全を支え、何より介護するご家族の身体的・精神的な負担を大きく減らしてくれる、頼れるパートナーです。だからこそ、選び方と制度を正しく知っておくことが、後悔しない介護への第一歩になります。

この記事では、在宅介護の準備を進める方のために、介護ベッド・車椅子の選び方から、介護保険を使った「レンタル」と「購入」の仕組み・費用比較、補助制度の使い方まで、初めての方にも分かるように整理しました。

先に結論をお伝えすると、多くの場合は状態の変化に合わせて交換できる「レンタル」が合理的ですが、用具や利用期間によっては購入が向くケースもあります。その判断軸まで丁寧に解説します。

この記事でわかること
  • 介護ベッド・車椅子の失敗しない選び方(機能・サイズ・採寸の目安)
  • マットレスや、そのほかの福祉用具の全体像
  • レンタルと購入の違いと、介護保険での費用・補助制度のしくみ
  • 要介護度による利用制限と、軽度者でも使える「例外給付」
  • 用具を活かす住まいの整え方と、新しい選択肢

なぜ福祉用具が重要なのか?~本人と介護者、双方の負担を減らす力~

福祉用具は、単なる「便利な道具」ではありません。適切に活用することで、日々の介護生活を大きく変える力を持っています。

その効果は、決して気のせいや精神論ではありません。厚生労働省の資料によると、高齢者が要介護状態になる原因のうち「骨折・転倒」は一貫して上位を占めています1。そして転倒の多くは、浴室・トイレ・玄関・段差など、住み慣れた自宅の中で起きています。専門家による住環境の見直しと、手すりやスロープといった福祉用具の導入は、転倒リスクを下げる有効な対策と考えられています2

ご本人にとってのメリット

  • 自立支援と尊厳の維持:介護用ベッドの背上げ機能を使えば、これまで人の手を借りなければ起き上がれなかった方が、ご自身の力で起き上がれるようになることもあります。「自分でできる」が増えることは、ご本人の自信と生きる意欲、そして尊厳を守ることにつながります。
  • 安全確保と事故防止:手すりや歩行器は転倒を防ぎ、介護ベッドのサイドレールはベッドからの転落を防ぎます。家庭内の思わぬ事故を未然に防ぐことは、安心して暮らすための大前提です。
  • 快適性の向上と苦痛の緩和:床ずれ(褥瘡)を防ぐマットレスは、寝ている時間が長い方の身体的な苦痛を和らげます。リクライニング機能のある車椅子なら、長く座っていても疲れにくく、楽な姿勢を保てます。

介護するご家族にとってのメリット

  • 身体的負担の大幅な軽減:介護で最も負担がかかるのが、抱きかかえたり中腰になったりする介助動作です。これが多くの介護者を悩ませる腰痛の原因になります。ベッドの高さ調節機能や移動用リフトを使えば、こうした身体的負担を大きく減らせます。
  • 精神的負担の軽減:「転んだらどうしよう」「ベッドから落ちないだろうか」という不安は、常に介護者の心に重くのしかかります。福祉用具で安全な環境を整えることは、こうしたストレスを和らげ、心にゆとりをもたらします。
  • 介護時間の短縮:介助がスムーズになれば、介護にかかる時間も短くなります。その分、ご本人と会話する時間や、介護者自身が休む時間を確保できます。

要介護(要支援)の認定を受ける方は、制度開始から大きく増え続けています。その数は令和元年度末時点で約669万人にのぼります3。だからこそ、用具の力を正しく借りて、ご本人とご家族の双方が無理なく続けられる介護を整えることが大切です。

介護ベッド(特殊寝台)の選び方

一日の多くの時間を過ごす介護ベッドは、福祉用具の中でも特に重要なアイテムです。選ぶときは、次の5つの視点で確認しましょう。

介護ベッドを選ぶ5つの視点

  1. 身体状況に合っているか:ご本人の「できること」「できないこと」に合わせて選びます。寝返りは自分で打てるか、手すりがあれば起き上がれるか、立ち上がりはどの程度できるか。現在の身体能力と、これから予測される変化の両方を考えましょう。
  2. 機能(モーター数)は必要十分か:後述するように、介護ベッドは搭載するモーターの数で機能が変わります。本当に必要な機能を見極めましょう。高機能なほど価格も高くなる傾向があります。
  3. サイズは体格と部屋に合うか:身長に合わせて、ショート(身長150cm未満)・レギュラー(150〜175cm)・ロング(175cm以上)といった長さの規格があります4。あわせて、設置する部屋の広さも要確認です。
  4. 設置スペースを確保できるか:ベッド本体だけでなく、周りに介助者が動けるスペース(最低でも片側50cm以上、できれば三方)が必要です。さらに、ベッドが昇降する際に頭側・脚側が弧を描いて動く「スイング幅」も計算に入れましょう。これを無視して壁際に置くと、昇降時にぶつかる原因になります5
    必要な部屋の広さは、別記事「介護ベッドを置くには部屋の広さはどのくらい必要ですか?」で詳しく解説しています。
  5. マットレスとの相性は良いか:ベッドとマットレスは必ずセットで考えます。後述する選び方を参考に、ご本人に合うものを選びましょう。

モーター数による機能の違い

介護ベッドは、電動モーターの数によって「できること」が決まります。多ければ良いわけではなく、ご本人の状態に合わせて選ぶことが大切です6

モーター数主な機能向いている方
1モーター背上げのみ、または高さ調節のみ自力での起き上がり・立ち上がりを少し助けてほしい方
2モーター背上げ+高さ調節(背上げに連動して膝が持ち上がり、身体のずり落ちを防ぐ機構付き)起き上がりや立ち上がりに介助が必要な方
3モーター背上げ・脚上げ・高さ調節が独立して動く一日の大半をベッドで過ごし、こまめな姿勢調整が必要な方

このうち高さ調節機能は、立ち上がるときに足が床にしっかり着く高さに合わせられるほか、介助者がおむつ交換などを行う際に腰の高さに合わせることで、腰痛予防に大きな効果を発揮します。

最適な高さの目安は、別記事「介護ベッドの平均的な高さは?」で詳しく解説しています。

マットレスの選び方

マットレス選びは、「ご本人が自力で寝返りを打てるかどうか」で大きく二つに分かれます7

  • 自力で寝返り・起き上がりができる方 → 硬めのマットレス(標準的なウレタンなど):適度な反発力があると、起き上がるときに手足で踏ん張る「支点」を作りやすく、残った力を保ちやすくなります。
  • 寝返りが難しい方・寝ている時間が長い方 → 体圧分散マットレス(エアマットレス、特殊ウレタンなど):同じ場所に圧力がかかり続けると、毛細血管の血流が途絶え、床ずれ(褥瘡)につながります。体圧分散マットレスは、空気のセルを交互にふくらませたり接触面積を広げたりして圧力を逃がし、このリスクを物理的に下げます。

失禁の心配がある場合は側生地を拭ける「防水タイプ」、ムレが気になる場合は「通気タイプ」を選ぶなど、肌の状態に合わせた工夫も有効です。どのマットレスが合うかは個人差が大きいため、後述する福祉用具専門相談員に相談して選ぶことをおすすめします。

介護用車椅子の選び方

車椅子は、ご本人の「足」となる大切な用具です。行動範囲を広げ、生活の質を高めるために、慎重に選びましょう。

車椅子を選ぶ際の重要ポイント

  • 利用目的と場所:主に室内で使うのか、散歩や通院など屋外でも頻繁に使うのかで、選ぶべきタイプやタイヤの大きさが変わります。
  • 身体状況とサイズ:「大は小を兼ねる」は禁物です。身体に合わない大きな車椅子は、姿勢が崩れて疲れやすくなったり、床ずれの原因になったりします。
  • 介助者の使いやすさ:介助者が押す場合は、本体の重量、折りたたみのしやすさ、ブレーキの種類などを確認します。車に乗せる機会が多いなら、コンパクトに折りたためる軽量モデルが便利です。
  • クッションの重要性:車椅子とセットで適切なクッションを選びましょう。座り心地だけでなく、お尻への圧力を分散して床ずれを防ぐ重要な役割があります。

体に合わせる「採寸」の目安

「体格に合うものを」と言われても、具体的にどこを見ればよいのか分かりにくいですよね。車椅子は「座る家具」ではなく「姿勢を保つ医療機器」です。次の4点が、身体に合わせるための基本的な目安になります。

採寸箇所目安合わないと起きること
座面の幅おしりの幅+3〜5cm(厚着しても指1〜2本入る程度)広すぎると姿勢が左右に崩れ、狭すぎると太ももの付け根が擦れて床ずれの原因に
座面の奥行おしりの後端から膝裏まで−3〜5cm深すぎると膝裏を圧迫して血行不良に、浅すぎると坐骨に圧力が集中
前座高(座面の高さ)膝裏からかかとまで+5cm程度高すぎると坐骨に体重が集中、低すぎると太もも裏を圧迫
耐荷重体重+積載物の総重量標準は約100kg。超える場合は130kg以上の強化型を選ばないと破損の危険

これらはあくまで一般的な目安です。実際の採寸とフィッティングは、後述する福祉用具専門相談員や理学療法士などの専門職に依頼するのが安全です。

自己判断で通販の標準サイズを選ぶと、姿勢の崩れや床ずれにつながることがあるため注意しましょう。

主な種類と特徴

種類特徴
自走式車椅子利用者が自分で後輪のハンドリムをこいで進める。介助者が押すこともできる
介助式車椅子主に介助者が後ろから押すタイプ。後輪が小さく、軽量・コンパクトなモデルが多い
リクライニング・ティルト式背もたれを倒したり座面ごと角度を変えたりでき、長時間座る方の姿勢変換と圧力分散に役立つ
電動車椅子レバー操作で動く。上肢の力が弱い方でも自力で長距離を移動できる

そのほかの主な福祉用具|全体像をつかむ

福祉用具はベッドと車椅子だけではありません。介護保険では、用途に応じて幅広い用具が用意されています。まずは全体像をつかんでおきましょう。

なお、これらは「借りる(貸与)」が中心の用具と、「買う(購入)」が対象の用具に分かれます。詳しい仕組みは次の章で解説します。

用途主な福祉用具原則の入手方法
移動を助ける車いす・車いす付属品、歩行器、歩行補助つえ、スロープ、移動用リフトレンタル(貸与)
起き上がり・寝る姿勢を助ける特殊寝台(介護ベッド)・付属品、床ずれ防止用具、体位変換器レンタル(貸与)
排泄・入浴を助ける腰掛便座(ポータブルトイレ)、入浴補助用具、簡易浴槽、自動排泄処理装置の交換部品、移動用リフトのつり具購入(特定福祉用具販売)
見守り・予測する認知症老人徘徊感知機器、排泄予測支援機器用途により貸与または購入

このように、福祉用具は「移動・起居・排泄入浴・見守り」と生活のあらゆる場面を支えます。どの用具が必要かは、ご本人の状態とケアプランによって変わります。

手すりの配置やポータブルトイレの選び方など、部屋全体の整え方は別記事「介護部屋の作り方がわからない方へ|何畳必要?どう配置する」で詳しく解説しています。

レンタルと購入、どちらがお得?~介護保険の仕組みから徹底比較~

福祉用具を準備するとき、多くの方が悩むのが「レンタル」と「購入」のどちらを選ぶかです。これには介護保険制度が大きく関わってきます。

結論から言うと、介護保険では、福祉用具は原則として「レンタル(貸与)」が基本です。そのうえで、衛生面などからレンタルになじまない一部の品目だけが「購入」の対象になります。

【レンタル】福祉用具貸与の仕組みと対象者

介護保険でレンタルできるのは、以下の13種目です8

  1. 車いす
  2. 車いす付属品
  3. 特殊寝台(介護用ベッド)
  4. 特殊寝台付属品
  5. 床ずれ防止用具
  6. 体位変換器
  7. 手すり(工事不要のもの)
  8. スロープ(工事不要のもの)
  9. 歩行器
  10. 歩行補助つえ
  11. 認知症老人徘徊感知機器
  12. 移動用リフト(つり具部分を除く)
  13. 自動排泄処理装置

ただし、すべての方がすべての用具を借りられるわけではありません残った力の低下を防ぐ目的などから、要介護度に応じた利用制限が設けられています9

要介護度原則として借りられる主な用具
要支援1・2、要介護1(軽度者)手すり、スロープ、歩行器、歩行補助つえ(4種目)
要介護2・3上記に加え、車いす、特殊寝台(介護ベッド)、床ずれ防止用具、体位変換器、認知症老人徘徊感知機器、移動用リフトなど
要介護4・5上記に加え、自動排泄処理装置(全13種目)

つまり、要支援1〜要介護1の「軽度者」は、原則として車椅子や介護ベッドを借りられません。

ただし、がん末期で状態の急速な悪化が見込まれる場合や、心疾患・呼吸器疾患などで生命に関わる危険を避ける必要がある場合など、医師の医学的判断にもとづく一定の条件を満たせば、市区町村の審査を経て例外的に貸与が認められる「例外給付」という仕組みがあります10。該当しそうな場合は、早めにケアマネジャーへ相談しましょう。

費用は、レンタル料金の1割(所得に応じて2割または3割)を月々支払います。例えば月額レンタル料8,000円の介護ベッドなら、自己負担は月800円(1割の場合)です。

レンタルのメリット

  • 初期費用を大幅に抑えられる。
  • 身体状況が変化(改善・悪化)したとき、いつでもその時の状態に合った用具に交換・変更できる。(これが最大のメリットです)
  • 定期的なメンテナンスや故障時の修理を、レンタル事業者が無料で行ってくれる。
  • 不要になればいつでも返却でき、処分の手間や費用がかからない。

レンタルのデメリット

  • 利用期間が非常に長くなると、購入より総支払額が高くなる可能性がある。
  • 借り物なので、自分のものではないという心理的な抵抗を感じる人もいる。

【購入】特定福祉用具販売の仕組みと2024年の新制度

レンタルになじまない、主に排泄や入浴に使う衛生的な用具は「購入」の対象です。これを特定福祉用具販売といい、対象は次の9品目です11

  1. 腰掛便座(ポータブルトイレ、補高便座など)
  2. 自動排泄処理装置の交換可能部品
  3. 入浴補助用具(シャワーチェア、浴槽用手すりなど)
  4. 簡易浴槽
  5. 移動用リフトのつり具の部分
  6. 排泄予測支援機器(2022年に追加)
  7. 固定用スロープ(2024年に追加)
  8. 歩行器(2024年に追加)
  9. 歩行補助つえ(2024年に追加)

費用は、同じ年度内(4月〜翌3月)で10万円を上限に、自己負担分(1〜3割)を除いた7〜9割が支給されます。

ここで知っておきたいのが、2024年4月から始まった「貸与・販売の選択制」です。これまで貸与のみだった固定用スロープ・歩行器・歩行補助つえについて、「借りる」か「買う」かを利用者が選べるようになりました。長く使い続ける見込みなら購入したほうが総額を抑えられる一方、短期間や状態が変わりそうな場合はレンタルが向きます。

判断の参考として、国はこれらの平均利用月数(歩行器11.0か月、単点杖14.6か月など)を示しており、ケアマネジャーや専門職が費用のシミュレーションを示したうえで選ぶ仕組みになっています12

支払い方法|立て替えが不要になる「受領委任払い」

購入の際の支払いには2つの方法があります13

  • 償還払い(原則):いったん全額(10割)を支払い、後から市区町村に申請して7〜9割の払い戻しを受ける方法。一時的に数万円〜十数万円を立て替える必要があります。
  • 受領委任払い:最初から自己負担分(1〜3割)だけを支払い、残りは市区町村から事業者へ直接支払われる方法。立て替えが不要になります。

受領委任払いは家計の負担を大きく軽くできますが、導入しているかどうかは自治体によって異なります。利用できるか、対応している事業者はどこかを、購入前に市区町村の窓口やケアマネジャーに確認しておくと安心です。

費用の相場とレンタルの優位性

高額・大型の用具ほど、レンタルのコストパフォーマンスが高くなります。あくまで目安ですが、相場は次のとおりです14(地域や商品により変動します。最新情報は要確認)。

用具レンタル月額(1割負担の目安)自費購入の相場
介護用ベッド月1,000円前後約40万円(付属品含む)
標準型車椅子月500円前後約11万円

仮に5年間(60か月)使ったとしても、ベッドの自己負担累計は約6万円、車椅子は約3万円程度にとどまります。さらにレンタルには、メンテナンスや故障時の交換、そして状態の変化に合わせた機種変更まで含まれています。

単なる「モノの貸し借り」ではなく、継続的な身体への適合サービスが含まれている点が大きな価値です。

結論|多くの場合はレンタルが賢い選択

身体状況の変化が予想される在宅介護では、介護ベッドや車椅子は、いつでも最適なものに変更できる「レンタル」を選ぶのが、一般的かつ最も賢い選択と言えます。

一方で、歩行器や杖のように長く使い続ける見込みが高く、状態が安定している用具については、2024年の選択制を活用して「購入」を選んだほうが総額を抑えられる場合もあります。

どちらが得かは利用期間の見通し次第なので、ケアマネジャーと相談して判断しましょう。

福祉用具を選ぶ・利用するまでの流れ

福祉用具は自己判断で選ぶのではなく、必ず専門家と相談しながら進めましょう。ここまで見てきた「要介護度の制限」「例外給付」「選択制」といった複雑な判断も、専門家が一緒に整理してくれます。

福祉用具を選ぶ・利用するまでの流れ
  • Step1
    専門家への相談

    担当のケアマネジャーや、地域包括支援センターに「福祉用具を利用したい」と相談します。

  • Step2
    事業者の選定

    ケアマネジャーが、地域の福祉用具貸与(販売)事業者を紹介してくれます。受領委任払いを使いたい場合は、対応事業者を選んでもらいましょう。

  • Step3
    用具の選定・フィッティング

    事業所の「福祉用具専門相談員」が自宅を訪問し、身体状況や住環境を確認したうえで最適な用具を提案します。

    このとき、実際に試す(フィッティング)ことが非常に重要です。多くの事業者が数日〜1週間程度の「お試し利用」を用意しています。

  • Step4
    搬入・設置

    用具が決まったら、事業者が自宅まで搬入・設置し、安全な使い方を丁寧に説明してくれます。

  • Step5
    利用開始とモニタリング

    利用開始後も、専門相談員が定期的に訪問し、用具が身体に合っているかを確認します。身体機能が回復した場合は、より自立を促す用具へ見直すこともあります。

このモニタリングはとても大切です。状態が良くなれば3モーターベッドから1モーターへ、歩行器から杖へと見直すことで、ご本人の残った力を保つことにもつながります。

福祉用具を100%活かすための「住まい」の重要性

どんなに高性能で、ご本人にぴったり合った福祉用具を選んでも、それを置いて使う「家」の環境が整っていなければ、その能力は半減してしまいます。場合によっては、まったく使えないということにもなりかねません。

福祉用具が活かせない家の残念な例
  • 介護ベッド:寝室が狭く、ベッドを置いたらクローゼットの扉が開かなくなった。昇降のスイング幅を考えずに壁際へ置き、動かすたびにぶつかる。
  • 車椅子:廊下が狭くて曲がれない。車椅子の方向転換には直径150cm程度のスペースが目安とされますが、それが確保できない。トイレのドア幅が狭くて入れない。
  • 移動用リフト:設置したいが、天井の強度が足りず、工事も大掛かりになるため諦めた。
  • 手すり:取り付けたい壁の内部に下地がなく、十分な強度で固定できない。

このように、福祉用具と住環境は、まさに「車の両輪」の関係です。両方がそろって初めて、安全で快適な在宅介護が実現します。

部屋選びからレイアウト、設備、リフォーム費用までを含めた介護部屋づくりの全体像は、別記事「介護部屋の作り方がわからない方へ|何畳必要?どう配置する」で詳しく解説しています。あわせてご覧ください。

【新しい選択肢】福祉用具が活きる家「C’ZB(シーズビー)シニアリビング」

「今の家では、とても介護ベッドも車椅子も使いこなせない…」
「でも、大掛かりなリフォームや建て替えは難しい…」

そんなお悩みを抱えるご家族に、私たち株式会社アイデアは、福祉用具の活用を前提に設計した新しい住まいの形「C’ZB(シーズビー)シニアリビング」をご提案しています。庭に設置する別棟の介護専用ハウスで、母屋はそのままに、介護に必要な空間だけを新たに用意できる選択肢です。

福祉用具と相性が良い理由

  1. 用具の配置を前提とした、ゆとりのある空間設計:介護ベッドを置いても、その周りを車椅子で楽に方向転換できるスペースを確保。ベッドの三方から介助者がアプローチできる間取りをご提案します。
  2. 段差ゼロのバリアフリーと、自由な手すり設置:室内は段差のないフラットフロア。壁の構造も工夫しており、ご本人の状態に合わせて、使いやすい位置・高さに十分な強度で手すりを取り付けられます。
  3. 将来の重度化にも対応できる柔軟性:現在は歩行器でも、将来は車椅子や天井走行リフトが必要になるかもしれません。そうした変化を見据えた天井の構造設計や電源の確保など、先を見据えた設計思想に基づいています。
  4. 母屋の生活空間を圧迫しない:介護に必要な機能はすべて別棟で完結させ、母屋はこれまで通りご家族が快適に過ごす空間として維持できます。

向いているケース・注意したいケース

どんな選択肢にも、向き・不向きがあります。シニアリビングも例外ではありません。

観点向いているケース注意・不向きなケース
敷地母屋とは別に、設置できる庭・敷地がある設置スペースがない、賃貸や借地で建物を置けない
費用大規模リフォームや建て替えより初期費用を抑えたい福祉用具レンタルや小規模改修で十分対応できる軽度の段階
将来不要になれば買取・移設できる柔軟性を重視する
設置条件用途地域・建築確認など法規制の確認が必要(自治体により異なる)

費用・工期・プライバシー・介護負担・将来の扱い(買取や移設)・設置条件は、リフォームや施設、同居といった他の選択肢とも比べて検討することをおすすめします。設置の可否や法規制は地域によって異なるため、必ず事前にご確認ください。

最新の福祉用具が、この空間でどれだけ活きるのか。その可能性を、ぜひ神奈川県足柄上郡中井町の展示場でお確かめください。

よくある質問

Q
介護ベッドや車椅子は、レンタルと購入どっちがお得ですか?
A

多くの場合、レンタルがお得です。介護保険では介護ベッドや車椅子は原則レンタルの対象で、月々のレンタル料の1割(所得により2〜3割)の負担で済み、メンテナンスや状態変化に合わせた交換も事業者が対応してくれます。

たとえば介護ベッドは購入だと約40万円ですが、レンタルなら月1,000円前後が目安です(地域や商品で変動します)。ただし歩行器や杖のように長く使い続ける用具は、購入のほうが総額を抑えられる場合もあります。

Q
要支援や要介護1でも、介護ベッドや車椅子は借りられますか?
A

原則は借りられませんが、例外があります。要支援1〜要介護1の「軽度者」は、原則として車椅子や介護ベッドの貸与対象外です。

ただし、がん末期で状態の急速な悪化が見込まれる場合など、医師の医学的判断にもとづく一定の条件を満たせば、市区町村の審査を経て例外的に借りられる「例外給付」という仕組みがあります。該当しそうな場合は、早めにケアマネジャーへ相談してください。

Q
介護ベッドのマットレスはどう選べばいいですか?
A

「自力で寝返りが打てるかどうか」で選びます。自力で寝返りや起き上がりができる方は、踏ん張りやすい硬めのマットレスが向いています。

一方、寝返りが難しい方や寝ている時間が長い方は、圧力を分散して床ずれ(褥瘡)を防ぐ「体圧分散マットレス(エアマットレスなど)」が必要です。個人差が大きいので、福祉用具専門相談員に相談して選ぶと安心です。

Q
車椅子を選ぶときの一番の注意点は何ですか?
A

利用する方の身体に合ったサイズを選ぶことです。「大は小を兼ねる」と考えるのは禁物で、座面の幅はおしりの幅+3〜5cm、奥行きは膝裏まで−3〜5cmが目安です。

サイズが合わないと、姿勢が崩れて疲れやすくなったり、床ずれの原因になったりします。実際の採寸とフィッティングは、専門職に依頼するのが安全です。

Q
福祉用具を使いたいとき、まずどこに相談すればいいですか?
A

担当のケアマネジャーか、お住まいの地域包括支援センターに相談してください。自己判断で選ぶのではなく、福祉用具専門相談員がご本人の状態やご自宅の環境に合った用具を提案してくれます。

多くの事業者が数日〜1週間程度の「お試し利用」を用意しているので、実際に試してから決めると失敗が少なくなります。

まとめ:適切な用具・制度・住まいで、無理のない介護を

介護用ベッドや車椅子は、ご本人と介護するご家族の双方の負担を軽くし、在宅生活の質を大きく高めてくれる頼れるパートナーです。大切なのは、専門家とよく相談しながら、ご本人の状態に本当に合うものを選び、介護保険の制度を賢く使うことです。

この記事のポイントを振り返ります。

  • 選び方は「身体状況・機能・サイズ・採寸」が軸:ベッドはモーター数とマットレス、車椅子は体に合った採寸が、安全と快適さを左右します。
  • 多くの場合はレンタルが合理的:状態の変化に合わせて交換でき、費用も抑えられます。長く使う用具は2024年の選択制で購入を選ぶ手もあります。
  • 制度を知れば負担は減らせる:要介護度による制限や軽度者の例外給付、受領委任払いなど、知っておくと選択肢が広がります。
  • 用具を活かすには住まいが不可欠:どんなに良い用具も、置いて使う環境が整って初めて力を発揮します。

「何から手をつければいいか分からない」と感じたら、まずは担当のケアマネジャーや地域包括支援センターに相談するのが、解決への一番の近道です。そして、選んだ福祉用具を100%活かすための住まいに不安があるなら、私たち株式会社アイデアの「C’ZB(シーズビー)シニアリビング」も、選択肢の一つとしてぜひご検討ください。

賢い用具選びと、それを活かす住まいづくりで、ご本人もご家族も笑顔でいられる、無理のない在宅介護を実現しましょう。まずはお気軽に、サービスの詳細をご覧ください。

脚注

  1. 厚生労働省「介護保険制度における福祉用具、居宅介護支援について」(要介護認定者数 約669万人、要介護要因における骨折・転倒の割合等)https://www.mhlw.go.jp/content/12300000/000921892.pdf ↩︎
  2. 「福祉用具で変える自宅の生活動線——ムダと転倒リスクを減らす」(自宅内での転倒発生と環境改修の有効性に関する解説)https://danran-shima.co.jp/%E7%A6%8F%E7%A5%89%E7%94%A8%E5%85%B7%E3%81%A7%E5%A4%89%E3%81%88%E3%82%8B%E8%87%AA%E5%AE%85%E3%81%AE%E7%94%9F%E6%B4%BB%E5%8B%95%E7%B7%9A-%E3%83%A0%E3%83%80%E3%81%A8%E8%BB%A2%E5%80%92/ ↩︎
  3. 厚生労働省「介護保険制度における福祉用具、居宅介護支援について」(要介護認定者数 約669万人、要介護要因における骨折・転倒の割合等)https://www.mhlw.go.jp/content/12300000/000921892.pdf ↩︎
  4. シーホネンス株式会社「介護ベッド選びのポイント」(モーター数による機能差、サイズ規格、体圧分散マットレスの選び方)https://seahonence.co.jp/hp/support/Choose_Bed02.html ↩︎
  5. シーホネンス株式会社「介護ベッド選びのポイント」(モーター数による機能差、サイズ規格、体圧分散マットレスの選び方)https://seahonence.co.jp/hp/support/Choose_Bed02.html ↩︎
  6. シーホネンス株式会社「介護ベッド選びのポイント」(モーター数による機能差、サイズ規格、体圧分散マットレスの選び方)https://seahonence.co.jp/hp/support/Choose_Bed02.html ↩︎
  7. シーホネンス株式会社「介護ベッド選びのポイント」(モーター数による機能差、サイズ規格、体圧分散マットレスの選び方)https://seahonence.co.jp/hp/support/Choose_Bed02.html ↩︎
  8. ハートページ「福祉用具貸与とは?介護保険でレンタルできる13品目一覧」(貸与13種目と要介護度別の利用条件)https://www.heartpage.jp/contents/magazine/03-00059 ↩︎
  9. ハートページ「福祉用具貸与とは?介護保険でレンタルできる13品目一覧」(貸与13種目と要介護度別の利用条件)https://www.heartpage.jp/contents/magazine/03-00059 ↩︎
  10. 松山市「軽度者に対する福祉用具貸与(例外給付)」https://www.city.matsuyama.ehime.jp/kurashi/kaigohoken/kaigohoken/hokensa-bisu/zaitaku/yougu_keido_r.html
    鰺ヶ沢町「軽度者に対する福祉用具貸与(例外給付)の取扱いに関するガイドライン」(第95号告示にもとづく例外給付の要件)https://www.town.ajigasawa.lg.jp/kurashi/hoken_zei/kaigohoken/sinseisyo.files/4-1-01keidosyahukusiyogu_youkou.pdf ↩︎
  11. CareNote「介護保険 特定福祉用具購入費支給、年10万円まで対象の仕組みと9割支給」https://carenote.jp/tokuteihukusiyougu/
    鳩山町「介護保険特定福祉用具購入費の支給について」(対象9品目・年間10万円上限・自己負担割合)https://www.town.hatoyama.saitama.jp/kurashi/kenkou_fukushi_kaigo/nursing_insurance/page003328.html ↩︎
  12. 「【図解でわかる】福祉用具の貸与と販売の選択制【2024年度介護報酬改定】」(選択制の対象品目・国が示す平均利用月数)https://hitori-cm.com/yougu/ ↩︎
  13. 二本松市「介護保険制度における 特定福祉用具購入に関する手引き」(償還払いと受領委任払いの違い)https://www.city.nihonmatsu.lg.jp/data/doc/1768287521_doc_48_0.pdf ↩︎
  14. 株式会社ミクセル「介護ベッドのレンタル料金は?」https://mixell.co.jp/kaigoyouhin/column/53/
    「車椅子はレンタルが良い?介護保険の適用範囲や購入との費用比較も」(費用相場の目安。地域・商品により変動)https://mixell.co.jp/kaigoyouhin/column/80/ ↩︎