【2025年改正対応】介護離職しないための両立完全ガイド

この記事は約17分で読めます。

「親の介護が始まったけれど、仕事は辞めたくない」
「でも、このまま仕事と介護を両立していけるのだろうか…」

働きながら家族の介護を担う「ビジネスケアラー」は年々増えています。その多くが両立に悩み、中には介護を理由に離職を選ばざるを得ない方も少なくありません。日々の疲れが重なると、「いっそ辞めた方が楽になるのでは」と考えてしまうこともありますよね。

でも、結論からお伝えします。介護離職は最後の手段です。使える制度やサービスを活用し、働き方や住環境を工夫すれば、仕事を辞めずに乗り切れる道は必ずあります。特に2025年4月の法改正で、会社に相談しやすい環境は大きく前進しました。

この記事では、介護離職を防いで仕事を続けるための具体策を、実例を交えてわかりやすく解説します。

この記事でわかること
  • 介護離職の本当のリスク(「辞めれば楽」とは限らない理由)
  • 2025年改正育児・介護休業法で、働く人ができるようになったこと
  • 会社の制度・介護休業給付金の正しい使い方
  • 日中不在でも在宅介護を回す方法と、住環境の工夫
  • 同居・近居・施設と比べた「別棟介護」という新しい選択肢

一人で抱え込まず、あなたとご家族、そしてキャリアを守るためのヒントを、一緒に見ていきましょう。

介護離職の現状とリスク|「辞める」前に知ってほしいこと

「親の介護が始まったけれど、仕事は辞めたくない」「でも、このまま両立できるのだろうか」——そんな不安を抱えていませんか。最初にお伝えしたいのは、介護離職は最後の手段だということです。なぜそう言えるのか、まずは現状とリスクをデータで確認していきましょう。

総務省の「令和4年就業構造基本調査」によると、過去1年間に介護・看護を理由に離職した人は年間約11万人にのぼります1。特に40代から50代という、企業の中核を担う働き盛りの世代が多いのが特徴です。仕事の責任が重く、家計の支出もかさむ年代だからこそ、離職の影響は小さくありません。

「辞めれば楽になる」とは限らない

意外に思われるかもしれませんが、仕事を辞めても介護の負担は減らないケースが少なくありません。離職して介護に専念すると、かえって被介護者と一日中向き合うことになり、社会との接点も失われます。その結果、「離職後に負担が増えたと感じる」人が多いことが、複数の調査で指摘されています2

また、やや古い調査ではありますが、介護離職をした人の約6割は「本当は仕事を続けたかった」と回答しています3。つまり、多くの人が望んでいないのに、両立の難しさから不本意な離職に追い込まれているのが実情です。これは個人の意欲の問題ではなく、環境の問題だと考えられます。

介護離職に伴う4つのリスク

介護離職のリスク
  • 経済的困窮:
    収入が途絶え、貯蓄を取り崩す生活になります。介護は長期にわたることが多く、一度離職すると同じ条件での再就職は難しい傾向があります。
  • キャリアの中断:
    培ってきた専門知識やスキルが活かせなくなり、再就職できても以前の待遇や役職に戻れないことがあります。
  • 社会的孤立と精神的負担:
    仕事を通じた社会とのつながりが失われ、孤独感を深めやすくなります。経済的不安も重なり、介護うつのリスクが高まることもあります。
  • 将来の年金額への影響:
    厚生年金の加入期間が短くなることで、将来受け取れる年金額が減る可能性があります。自分自身の老後の生活にも影響します。

さらに、介護離職は個人だけの問題ではありません。

経済産業省の試算によると、仕事と介護を両立する「ビジネスケアラー」は2030年に約318万人に達し、それに伴う経済損失は約9.1兆円にのぼるとされています4。国も企業も、この大きな課題に本腰を入れて対策を進めています。

あなたが制度を使って働き続けることは、決してわがままではなく、社会全体が後押ししている選択なのです。

2025年改正育児・介護休業法でできること

「介護のことを会社に言い出しにくい」と感じる方は多いですよね。でも、その状況は大きく変わりつつあります。2025年(令和7年)4月1日に施行された改正育児・介護休業法によって、企業側から従業員を支える仕組みが強化されました5

ここでは、働く人が知っておきたいポイントを実務目線で解説します。

企業からの「個別周知・意向確認」が義務に

今回の改正で特に大きいのが、企業が従業員へ歩み寄ることを義務づけた点です。具体的には、次の対応が事業主に求められるようになりました。

40歳到達時などの早期に、両立支援制度の情報を提供すること

介護保険料の負担が始まる40歳のタイミングで、会社は介護休業などの制度を案内しなければなりません。「介護はまだ先」と思っていても、いざという時の備えとして確認しておけます。

介護に直面した従業員への個別周知と意向確認

家族の介護が必要になったと申し出た従業員に対し、企業は制度を個別に説明し、休業などの取得意向を確認することが義務づけられました。

これまでは「会社に介護を知られると、評価や異動で不利になるのでは」という不安から、一人で抱え込む人が多くいました。改正後は会社側から声をかけることが義務になったため、相談の心理的なハードルは下がっていくと考えられます。

制度を使うのは恩恵ではなく、法律で守られた権利です。

介護のテレワークが努力義務に/勤続6か月未満の壁が撤廃

働き方の選択肢も広がりました。介護を行う従業員がテレワークを選べるよう措置を講じることが、企業の努力義務として新たに位置づけられました。「義務」ではなく「努力義務」ですが、在宅勤務を相談するための正当な根拠になります。

あわせて、労使協定によって勤続6か月未満の従業員を介護休業の対象から除外できる規定が撤廃されました。これにより、転職直後や入社して間もない時期に親が突然倒れても、介護休業を取得しやすくなっています。突発的に始まる介護への、心強いセーフティネットといえます。

背景にある「両立支援等助成金」

会社が従業員の両立を支援する背景には、国の後押しもあります。

厚生労働省は、介護休業の取得や柔軟な働き方を支援した企業に対して、「両立支援等助成金(介護離職防止支援コース)」を支給しています6。つまり、あなたが制度を使うことは、会社にとっても助成金の対象になるというメリットがあるのです。

「迷惑をかけるのでは」と遠慮しすぎる必要はありません。会社の人事や上司へ相談することは、あなたと会社の双方にとって合理的な行動だといえます。

なお、介護による心身の負担そのものへの向き合い方は、関連記事「介護ストレスの限界サインと解消法|CBTで心を守る7つの技法」でくわしく解説しています。

会社の両立支援制度をフル活用する

改正法の全体像をつかんだら、次は具体的な制度を確認しましょう。

育児・介護休業法では、企業に以下の制度を設けることが義務づけられています一部、対象となる労働者の条件があります)。まずは就業規則を確認し、人事・総務担当者に早めに相談することが両立への第一歩です。

法律で守られた5つの両立支援制度

介護休業対象家族1人につき、通算93日まで、3回を上限に分割取得できる。雇用保険から給付金が支給される(後述)。
介護休暇5日(対象家族が2人以上なら年10日)まで、1日または時間単位で取得できる休暇。
所定外労働の制限介護を理由に請求すれば、残業を免除してもらえる。
深夜業の制限請求すれば、原則として午後10時〜午前5時の労働を免除してもらえる。
時短勤務等の措置時短勤務・フレックスタイム・始業終業時刻の繰り上げ/繰り下げなど、いずれかの措置が設けられている。

これらに加え、企業によっては独自の特別休暇や相談窓口、介護費用の補助などを設けている場合もあります。まずは「自分の会社で何が使えるか」を把握しましょう。

介護休業給付金は「賃金の約67%」

介護休業中は無給となる会社が多いですが、雇用保険の被保険者であれば「介護休業給付金」を受け取れます。

支給額は休業開始時の賃金日額の約67%で、対象家族1人につき通算93日まで、最大3回に分けて受給できます7。給付金は非課税のため、手取りベースでは休業前の8割程度が補填される計算になります。

受給にはいくつか注意点があります。まず、休業期間中に就労した日数が1か月あたり10日を超えると、その月は支給対象外になります。また、有期雇用(契約社員・パートなど)の場合は、休業開始から93日経過後6か月までに契約満了が明らかでないことが条件です。当初から退職を予定している場合も対象外となります。

支給上限額は年齢区分により変わり、2025年時点で1日あたり約15,690円ですが、毎年見直されるため最新額は要確認です。

介護休業は「自分で介護する休み」ではない

ここで大切な考え方をお伝えします。

介護休業は、自分が付きっきりで介護をするための休みではありません。むしろ、ケアマネジャーの選定、デイサービスやショートステイの見学・手配、住宅改修の準備など、「自分がいなくても介護が回る体制」を整えるためのセットアップ期間として使うのが賢明だと考えられます。

93日という日数を「自力で乗り切る期間」と捉えると、すぐに限界がきます。そうではなく、プロと外部サービスのチームを作る準備期間と割り切ることで、その後の長い両立生活が続けやすくなります。

日中不在でも介護は回る|公的サービスと両立特化の相談先

「日中は仕事で家を空けるから、在宅介護なんて無理」と思っていませんか。実は、公的な介護保険サービスを上手に組み合わせれば、仕事中に家を空けても在宅介護は十分に成り立ちます。プロに任せることは手抜きではなく、共倒れを防ぐための正しい選択です。

仕事の時間を埋める在宅サービス

親御さんが要介護認定を受けている場合は、担当のケアマネジャーに「仕事と両立したい」とはっきり伝えることが何より大切です。その一言で、日中の不在を前提としたケアプランを組んでもらえます。

主なサービスは次の通りです。

  • 訪問介護(ホームヘルプ):
    仕事で不在の時間帯に、食事・排泄の介助や安否確認を行ってもらえます。
  • 通所介護(デイサービス):
    日中、施設へ通って入浴・食事・レクリエーションを受けてもらえるため、その間は仕事に集中できます。
  • 短期入所生活介護(ショートステイ):
    出張や繁忙期、介護者が休息を取りたい時に、一時的に施設へ宿泊してもらえます。
  • 福祉用具のレンタル・購入:
    介護ベッドや車椅子などで、日々の介助負担を軽減できます。

仕事と介護の両立に特化した相談先

悩みは一人で抱え込まず、専門家を頼りましょう。介護全般の総合相談は地域包括支援センターやケアマネジャーが窓口になりますが、ここでは特に「仕事との両立」に強い相談先を紹介します。

  • 会社の人事・産業医・EAP:
    社内制度の確認や働き方の調整はここから。従業員支援プログラム(EAP)でオンライン相談ができる企業も増えています。
  • 両立支援コーディネーター:
    仕事と治療・介護の両立支援を専門に行う人材です。
  • 都道府県労働局の雇用環境・均等部(室):
    育児・介護休業法に関する相談や、職場でのケアハラスメントの相談に対応しています。

なお、「最近イライラする」「眠れない」といった介護ストレスのサインや、悩み別の相談先の一覧については、関連記事「介護ストレスの限界サインと解消法|CBTで心を守る7つの技法」で詳しく整理しています。心の負担が大きいと感じたら、あわせてご覧ください。

実例に学ぶ|働き方・時間の工夫

制度やサービスを「実際にどう組み合わせるか」は、事例で見るとイメージしやすくなります。ここでは、両立に取り組む2つのモデルケースを紹介します。

実例:母の遠距離介護 Aさん/40代女性・企画職

抱えていた課題

新幹線で2時間の実家に暮らす母の認知症が進行。月1〜2回の帰省で有給を使い切り、平日の様子が分からず仕事にも集中できなくなっていました。

行った工夫

  • 会社のテレワーク制度(週2日)とフレックスを活用し、平日に帰省して手続きやケアマネ面談を実施。介護休暇も利用。
  • 遠方に住む兄と帰省を分担し、母の情報を共有するLINEグループを作成。
  • ケアマネと相談し、母にデイサービス(週2回)と配食サービス(週5日)を導入。ヘルパーによる安否確認も依頼。
  • 母にタブレットを贈り、毎日ビデオ通話で顔を見て話す時間を確保。

結果

平日の様子が把握でき、精神的な不安が軽減。仕事への集中力も回復しました。

なお、遠距離介護に特有の限界点や遠隔サポートの工夫、呼び寄せの判断については、関連記事「遠距離介護の限界は突然に。家族が倒れる前に知るべき遠隔サポート術と決断の時」で深掘りしています。

実例:父の同居介護 Bさん/50代男性・営業管理職

抱えていた課題

脳梗塞で半身麻痺となった父を自宅で介護。主に妻が担っていましたが、管理職で残業も多く、Bさん自身と妻の疲労・精神的負担が心配でした。

行った工夫

  • 父の退院後の体制を整えるため、まず介護休業を2週間取得。その間にケアマネと集中的に相談し、サービスを導入。職場には事前に状況を伝え、業務を引き継ぎ。
  • 父にデイケア(週3回)でリハビリ、ショートステイ(月1回・週末)で妻のレスパイト時間を確保。訪問リハビリも利用。
  • 会社の時短勤務を使い毎日1時間早く退社。夕食介助や妻との情報交換に充てた。
  • 介護日誌を夫婦で共有し、週末は交代で外出してリフレッシュ。

結果

サービスの積極活用で夫妻の負担が大幅に軽減。時短勤務で父との時間も増え、以前より落ち着いて仕事に取り組めるようになりました。

両立を続けるための共通のヒント

2つの事例に共通するのは、「制度・サービス・周囲の力を惜しみなく使っている」点です。両立を長く続けるためのヒントを整理します。

両立を続けるためのヒント
  • タスクを見える化する:
    仕事と介護のタスクを書き出し、何を・いつまでに行うかを明確にします。
  • 「完璧」を目指さない:
    すべてを自分でこなそうとすると無理が生じます。手を抜けるところは外部の力を頼りましょう。
  • スキマ時間を活用する:
    通勤中の情報収集や昼休みの電話連絡など、短い時間も有効に使います。
  • オンとオフを切り替える:
    仕事中や休息時間には介護のことを意識的に手放すと、心の健康を保ちやすくなります。

「自分一人で頑張らなければ」という気持ちが強い方ほど、抱え込みやすいものです。頼ることや完璧を手放すことへの考え方は、心のケアの視点でも重要です。詳しくは前掲の介護ストレスの記事もあわせてご参照ください。

住環境を整えると両立はもっと楽になる

見落とされがちですが、住環境の整備は、介護者の負担を大きく減らし、仕事との両立を陰で支える重要な要素です。制度や時間のやりくりだけでなく、「環境そのもの」を変えることで、負担の総量を減らせる場合があります。

なぜ住環境が両立を支えるのか

  • 介護者の身体的負担の軽減:
    段差がなく手すりのある家は、移乗や移動の介助が楽になります。腰痛などの疲労を防ぎ、仕事の体力を保ちやすくなります。
  • 被介護者の自立度の向上:
    安全で動きやすい環境は、本人ができることを増やします。自分でトイレに行けるようになれば、その分の介助時間が減ります。
  • 精神的な安心感:
    「家の中は安全」という状態は、「転んだらどうしよう」という不安を減らし、心の余裕を生みます。
  • 在宅サービスの導入しやすさ:
    ヘルパーが動きやすいスペースや福祉用具を置ける環境は、サービスをスムーズに活用するために欠かせません。

介護しやすくするポイントと住宅改修費

手すりの設置廊下・階段・トイレ・浴室など、転倒の危険や立ち座りの補助が必要な場所に設置します。
段差の解消敷居の撤去・スロープ設置・床のかさ上げで、つまずきや転倒を防ぎます。
ドアの変更開き戸を、軽い力で開閉でき省スペースな引き戸や折れ戸へ。
トイレ・浴室の改修洋式化、手すり設置、滑りにくい床材、介助スペースの確保など。
動線を考えた家具配置ベッドからトイレへの経路を短くし、車椅子が通りやすいよう配置します。

これらの改修には、介護保険の住宅改修費支給制度を使える場合があります。支給限度基準額は20万円で、所得に応じて費用の7〜9割(自己負担1〜3割)が支給されます8

必ず工事の着工前にケアマネジャーへ相談し、自治体へ「事前申請」を行うことが絶対のルールです。良かれと思って先に工事をしてしまうと、原則として後からの支給は受けられません。

なお、要介護度が3段階以上上がった場合などは限度額がリセットされる仕組みもあります。制度の詳細は自治体で要確認です。

実例:住環境の工夫で離職を回避 Cさん

抱えていた課題

母が脳梗塞で左半身麻痺となり在宅介護を開始。日中は働きながら、夜間は2〜3時間おきのトイレ介助で慢性的な睡眠不足に。仕事中のミスも増え、介護離職を考え始めていました。

行った工夫

ケアマネに相談し、介護保険でトイレと廊下にL字型・手すりを設置、浴室の段差も解消。寝室にポータブルトイレを置き、ベッドを電動昇降式の介護ベッドにレンタル変更。家具配置を見直し、ベッドからトイレ・車椅子への動線を最短にしました。

結果

母が手すりを使ってある程度自分で動けるようになり、Cさんの身体的負担が軽減。夜中に何度も付き添う必要がなくなって睡眠時間が増え、日中の集中力も回復。介護離職を回避できました。「住環境を少し変えるだけで、こんなに楽になるとは思わなかった」と話しています。

住環境の工夫でも限界を感じる場合は、住まいや介護体制そのものを見直す選択肢もあります。在宅介護の限界サインと3つの解決策については、関連記事「在宅介護「もう限界かも」と感じたら|3つの解決策と次の一歩」をご覧ください。

新しい選択肢|庭に建てる別棟介護という第三の道

「自宅のリフォームは費用も手間もかかる」「同居はプライバシーが心配、でも施設はまだ早い」——そんな時に検討に値するのが、庭に独立した介護専用ハウスを設置する「別棟介護」という選択肢です。私たち株式会社アイデアがご提案する「C’ZB(シーズビー)シニアリビング」もその一つです。

別棟介護とは?

母屋はそのままに、庭に介護用のハウスを設置する方法です。物理的にすぐそばにいながら、生活空間を分けられるため、近接介護とプライバシーを両立できます。

シニアリビングの主な仕様は次の通りです。

  • 工場で完成させた状態でクレーン付きトラックで運び、設置するだけ(リフォーム工事は不要)。
  • 「室内で生活し続ける前提」の高断熱仕様で、ヒートショック対策にも配慮。
  • 使い終わった後は買取も可能で、解体費用がかかりにくい。
  • 一人用から夫婦世帯用まで、連結でサイズを変えられる。

5つの住まい方を比較する

どの選択肢にも一長一短があります。自分たちの条件に照らして比べてみましょう(下記は一般的な傾向であり、費用や条件は地域・状況により異なります)。

費用感プライバシー介護負担・距離将来の扱い
完全同居低め確保しにくい近いが負担集中しやすい
近居中(住居費別)保ちやすいやや遠く即応は難しい
自宅リフォーム中〜高同居前提なら課題近い原状回復が難しい
施設入居高め(運用費)本人は確保専門ケアだが距離あり
別棟介護初期はかかるが買取可保ちやすい近接しつつ分離移設・買取・転用が可能

別棟介護は、大規模なリフォームや建て替えに比べて工期が短く、将来は仕事部屋やゲストルームへの転用、移設・買取も比較的しやすい傾向があります。一方で、初期費用は一定程度かかります。

向くケース・向かないケース

向いていると考えられるケース

  • 庭などに設置スペースがある
  • 互いのプライバシー・生活リズムを保ちたい
  • リフォームや建て替えに踏み切れない
  • 遠距離介護で親を呼び寄せたい

慎重な検討が必要なケース

  • 設置できる敷地スペースが乏しい
  • 建築確認申請や固定資産税などの条件を確認していない
  • 初期費用をかけずに済ませたい
  • 建ぺい率・容積率に余裕がない

別棟を設置する際は、構造によって建築確認申請が必要になる場合や、固定資産税の課税対象となる場合があります。※条件は自治体・敷地により異なるため要確認

あくまで「同居・近居・リフォーム・施設」と並ぶ第三の選択肢として、ご家庭の条件に合うかどうかを比較してご判断ください。仕様や設置条件の詳細はサービスサイトでご確認いただけます。

よくある質問

Q
介護のために仕事を辞めるのは、やはりダメですか?
A

最後の手段と考えるのがおすすめです。介護離職は収入が途絶えるだけでなく、再就職が難しく、社会とのつながりが減って精神的な負担が増えたり、将来の年金額が減ったりするリスクがあります。実際、離職した人の多くは本当は仕事を続けたかったと答えています。まずは制度やサービスの活用を検討しましょう。

Q
2025年の法改正で、働く側は何ができるようになりましたか?
A

会社から制度の案内を受けやすくなりました。2025年4月の改正で、企業には40歳到達時などの情報提供と、介護に直面した従業員への個別の周知・意向確認が義務づけられました。さらに介護のためのテレワークが努力義務となり、勤続6か月未満でも介護休業を取得しやすくなっています。相談の心理的ハードルは下がっていると考えられます。

Q
介護休業中は給料が出ないと聞きました。生活はどうすれば?
A

雇用保険から「介護休業給付金」が支給されます。休業前の賃金日額の約67%が、対象家族1人につき通算93日まで(最大3回に分割可)受け取れます。給付金は非課税のため、手取りでは休業前の8割程度が補われる計算です。ただし月10日を超えて働くとその月は対象外になるなどの条件があるため、ハローワークや会社で確認しましょう。

Q
日中は仕事で家にいません。それでも在宅介護はできますか?
A

はい、できます。日中はデイサービスへ通ってもらったり、訪問介護のヘルパーに来てもらったりすることで、仕事中に家を空けても在宅介護は成り立ちます。ポイントは、担当のケアマネジャーに「仕事と両立したい」とはっきり伝え、不在を前提としたケアプランを組んでもらうことです。プロに任せるのは手抜きではなく、共倒れを防ぐ賢い選択です。

Q
両立がつらくなってきたら、まず誰に相談すればいいですか?
A

会社と介護の両方の窓口に相談しましょう。仕事面では会社の人事・産業医・EAP、両立支援コーディネーター、労働局の雇用環境・均等部が頼りになります。介護面ではケアマネジャーや地域包括支援センターが総合窓口です。心の負担が大きいときは、早めに相談することが回復を早めます。

まとめ|介護離職は最後の手段。両立できる道は必ずある

介護離職は、あなたにとってもご家族にとっても大きな損失になりがちです。けれど、それは決して避けられない運命ではありません。制度を使い、サービスを頼り、住環境を工夫すれば、仕事と介護を両立できる道は必ず見つかります。

最後に、この記事の要点を振り返っておきましょう。

この記事のポイント
  • 介護離職は最後の手段。辞めても負担が減るとは限らず、収入・キャリア・年金への影響が長く残る。
  • 2025年の法改正で、会社からの情報提供や意向確認が義務化され、制度は使いやすくなっている。
  • 介護休業は「自分で介護する休み」ではなく、プロに任せる体制を整えるための準備期間。
  • 日中不在でも在宅介護は回せる。住環境を整えれば、両立はもっと楽になる。
  • 同居・近居・リフォーム・施設に加え、「別棟介護」も比較したい選択肢のひとつ。

何より大切なのは、一人で抱え込まず、早めに周囲へ相談することです。会社の人事や上司、家族、ケアマネジャーや地域包括支援センターなど、頼れる存在は必ずいます。心の負担が重いと感じたら、関連記事「介護ストレスの限界サインと解消法|CBTで心を守る7つの技法」もあわせてご覧ください。

そして、住まいや距離感そのものを見直したい方には、私たち株式会社アイデアがご提案する庭に設置する別棟の介護専用ハウス「C’ZB(シーズビー)シニアリビング」も、選択肢のひとつとしてご検討ください。介護しやすい住環境は、時間的・精神的なゆとりを生み、仕事との両立を支える力になります。まずは気軽に、できることから一歩ずつ始めてみませんか。

脚注

  1. 総務省統計局「令和4年就業構造基本調査」https://www.stat.go.jp/data/shugyou/2022/index2.html ↩︎
  2. 独立行政法人 労働政策研究・研修機構「介護と仕事を両立させるために」https://www.jil.go.jp/kokunai/blt/backnumber/2017/01/002-017.pdf ↩︎
  3. 大和総研「『介護離職ゼロ』政策に求められる視点」(2016年)https://www.dir.co.jp/report/research/policy-analysis/human-society/20160714_011073.pdf ↩︎
  4. 経済産業省の試算(ビジネスケアラーの増加に伴う2030年の経済損失約9.1兆円・約318万人)に関する解説。※数値は経済産業省「企業経営と介護両立支援に関する研究会」関連資料に基づくものとして紹介されている(民間解説による紹介)https://ogr.or.jp/column/id=285/ ↩︎
  5. 厚生労働省「育児・介護休業法について」https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000130583.html ↩︎
  6. 厚生労働省「2025(令和7)年度 両立支援等助成金のご案内」https://www.mhlw.go.jp/content/001472912.pdf ↩︎
  7. 厚生労働省・京都労働局「介護休業給付について」https://jsite.mhlw.go.jp/kyoto-roudoukyoku/content/contents/001967471.pdf ↩︎
  8. 介護保険の住宅改修費支給制度の例(日向市ホームページ)https://www.hyugacity.jp/sp/display.php?cont=240425214758 ↩︎