国のリフォーム補助金と自治体のリフォーム補助金は、条件を満たせば併用が可能です。ただし、「同一工事への二重受給」は原則として禁止されています1。たとえば手すり設置工事に対して国と自治体から二重に補助を受けることはできません。一方、工事の部位や性質を分ければ複数制度の併用が可能なケースが多くあります。
「介護保険の住宅改修費(20万円)に加えて、自治体や国の補助金、減税制度も併用できないか?」――リフォーム費用を少しでも抑えたいご家族にとって、補助金の併用ルールはとても気になるところです。しかし、制度ごとに細かい条件があり、「結局、何と何が組み合わせられるのか分かりにくい」と感じる方も多いはずです。
本記事では、次のことが分かります。
- リフォーム補助金の3つの種類(国・自治体・減税制度)
- 併用OKのパターンとNGのパターンの具体例
- 介護リフォームでの賢い併用例(介護保険+自治体助成金+減税2制度)
- 補助金を最大限活用するための3ステップ
7〜8分で読めるFAQ記事です。リフォーム計画前の予備知識としてお役立てください。
リフォーム補助金は3種類ある
併用の可否を判断する前に、リフォーム費用を軽減できる「補助金」には大きく3つの種類があることを押さえておきましょう。
①国の補助金
政策目標に基づいて全国一律に設計される補助制度です。省エネ推進や耐震化、子育て支援などを目的としています。
代表例として「住宅省エネキャンペーン」「長期優良住宅化リフォーム推進事業」「子育てエコホーム支援事業」などがありますが、制度名や内容は年度ごとに変わるため、最新情報は国土交通省や各事業の公式サイトで必ず確認してください。
②自治体の補助金
市区町村や都道府県が地域特性に応じて設ける補助制度です。バリアフリー化支援、高齢者向け住宅改修助成、子育て世帯支援、空き家活用など、対象は多岐にわたります。
介護リフォームの文脈では、介護保険の住宅改修費(20万円枠)に上乗せする独自助成金を設けている自治体(東京都板橋区、大阪市、横浜市など)が代表例です。
③減税制度(所得税控除・固定資産税減額)
厳密には補助金ではありませんが、リフォーム費用の負担を実質的に軽減できる重要な制度です。所得税の「住宅特定改修特別税額控除」と「固定資産税の減額措置」の2つが代表的で、補助金との併用前提で活用できます。
令和8年度(2026年度)税制改正により両制度ともに適用期限が大幅延長+床面積要件が40㎡以上に緩和されました2。
併用が可能なパターンと不可なパターン
併用OKのパターン:「工事を分ける」
異なる工事内容に対して、それぞれ別の補助金を申請するケースは併用可能です。代表例は次のとおりです。
- 手すり設置→介護保険/断熱改修→自治体の省エネ補助金
- 段差解消→介護保険/窓の断熱改修→国の住宅省エネキャンペーン
- バリアフリー改修→介護保険+自治体助成金(同一工事でも自治体が上乗せ前提で設計している場合)+所得税控除
とくに「補助金+減税制度」の組み合わせは基本的に併用可能で、補助金で支給された分を除いた工事費用が減税の対象になります。
併用NGのパターン:「同一工事への二重受給」
同じ工事内容に対して、国と自治体(または複数の補助金)から二重に給付を受けることは原則禁止されています。たとえば次のケースはNGです。
- 同一の手すり設置工事に対して、介護保険と自治体助成金から二重に支給を受けようとする
- 国の「子育てエコホーム支援事業」と国の他の補助制度との重複(同事業は国の他の補助金との併用不可)
制度ごとに細かいルールが異なるため、申請前には必ず各補助金の交付要綱を確認するか、補助金に詳しいリフォーム業者・ケアマネジャーに相談しましょう。
介護リフォームでの賢い併用例
介護リフォームでは、4つの制度を上手に組み合わせることで、自己負担を大きく減らすことができます。
- ①介護保険の住宅改修費:上限20万円・自己負担1〜3割
- ②自治体独自の上乗せ助成金:自治体により金額・要件が異なる
- ③所得税の住宅特定改修特別税額控除:最大20万円控除(令和10年12月末まで)
- ④固定資産税の減額措置:翌年度1/3減額(令和13年3月末まで)
たとえば「介護保険+自治体助成金」で工事費用そのものを大きく抑え、さらに「所得税控除+固定資産税減額」で残りの自己負担分を税金から取り戻す、という組み合わせが王道のパターンです。
介護リフォーム特化の併用パターンや具体的な金額計算例は、記事「【2026年最新】介護リフォームの費用と補助金・減税7つの要点」で網羅的に解説しています。あわせて、自治体助成金の探し方は記事「【見逃し厳禁】自治体のリフォーム補助金|探し方3ルート+申請5コツ」、確定申告の手順は記事「【2026年最新】介護リフォーム減税の確定申告|4ステップ完全ガイド」で詳しく扱っていますので、状況に応じてご活用ください。
補助金を最大限活用するための3ステップ
- STEP1各補助金の要項を確認する
国・自治体の公式サイトで最新情報を確認しましょう。代表的な情報源は以下です。
- 国土交通省「住宅・建築物関係の支援事業一覧」(https://www.mlit.go.jp/jutakukentiku/house/shienjigyo.html)
- 一般社団法人 住宅リフォーム推進協議会「住宅リフォームに係わる支援制度検索サイト」(https://www.j-reform.com/reform-support/)
- STEP2補助金に詳しい業者やケアマネジャーに相談する
介護リフォームの場合は担当のケアマネジャー、それ以外は補助金実績豊富なリフォーム業者に相談し、併用可能な制度の組み合わせを確認します。申請手続きを業者にサポートしてもらえる場合もあります。
- STEP3申請時期を調整する
補助金は予算枠が決まっており、申請期限前でも枠が埋まれば終了します。さらに、介護保険の住宅改修費は工事前の事前申請が必須です。複数制度を組み合わせる場合は、申請順序とタイミングを綿密に計画しましょう。
よくある質問
Q. 介護保険の住宅改修費と所得税控除は両方使えますか?
A. はい、基本的に併用可能です。介護保険の補助金で支給された分(最大18万円)を除いた工事費用が、所得税の住宅特定改修特別税額控除の対象になります。たとえば50万円のバリアフリー工事に対して介護保険から18万円の補助を受けた場合、残りの32万円が控除計算の対象に含まれます。
Q. 同じ手すり設置工事を、介護保険と自治体助成金で二重に申請できますか?
A. いいえ、原則として禁止されています。同一工事に対する複数補助金の二重受給はNGです。ただし、自治体によっては介護保険を使い切った後の上乗せを前提に設計された助成金もあります(板橋区、大阪市、横浜市など)。お住まいの自治体に併用ルールを必ず確認しましょう。
Q. 自治体独自の上乗せ助成金はどう探せばいいですか?
A. お住まいの市区町村の福祉課・高齢者支援課に問い合わせるか、自治体ホームページで「住宅改修」「高齢者リフォーム助成」などのキーワードで検索しましょう。詳しい探し方や申請のコツは、別記事「【見逃し厳禁】自治体のリフォーム補助金|探し方3ルート+申請5コツ」で解説しています。
Q. 減税制度を受けるには確定申告が必要ですか?
A. はい、所得税の住宅特定改修特別税額控除は翌年の確定申告が、固定資産税の減額措置は工事完了後3か月以内に市区町村への申告が必要です。必要書類や具体的な手順については、別記事「【2026年最新】介護リフォーム減税の確定申告|4ステップ完全ガイド」で詳しく解説しています。
Q. 介護リフォーム全体の費用相場や補助金・減税の全体像も知りたい
A. 介護リフォームの場所別費用相場(玄関・浴室・トイレ等)、4制度(介護保険・自治体助成金・所得税控除・固定資産税減額)の詳細、令和8年度税制改正による拡充内容、失敗しないためのポイントまでを網羅した記事「【2026年最新】介護リフォームの費用と補助金・減税7つの要点」をご覧ください。本記事の併用ルールを含む全体像を一つの記事で確認できます。
まとめ:4制度を賢く組み合わせて、自己負担を最小化しよう
国・自治体・減税の各リフォーム補助制度は、条件を満たせば併用が可能です。「同一工事への二重受給は不可」というルールさえ押さえておけば、複数制度を組み合わせて自己負担を大幅に軽減できます。
とくに介護リフォームでは、介護保険+自治体助成金+所得税控除+固定資産税減額の4制度を組み合わせることで、想像以上に費用を抑えることが可能です。
本記事の重要ポイントを振り返ります。
- 結論:条件次第で併用可能、ただし同一工事への二重受給は原則不可
- 介護リフォームの王道組み合わせ:介護保険+自治体助成金で工事費を圧縮し、減税2制度で残りの自己負担分を税金から取り戻す
- 申請の3ステップ:要項確認→業者・ケアマネに相談→申請時期と順序を計画
- 注意点:補助金は予算枠が枯渇する前に申請、介護保険は工事前の事前申請が必須
各制度の詳細・場所別費用相場・失敗しないポイント・具体的な金額計算例までを網羅した記事「【2026年最新】介護リフォームの費用と補助金・減税7つの要点」をあわせてご覧いただくと、ご家族の状況に応じた最適な組み合わせと申請プランが見えてきます。
そして、補助金を最大限活用してもリフォーム自体に構造的な限界を感じる場合は、私たち株式会社アイデアの「C’ZB(シーズビー)シニアリビング」という新しい選択肢もあります。お庭に設置する独立型の介護専用ハウスは、リフォームでは越えられない壁を根本から解決する、これからの時代の住まいの形です。
ご家族にとって最適な介護環境づくりに向けて、まずはケアマネジャーや専門家にお気軽にご相談ください。
脚注
- 厚生労働省「介護保険における住宅改修」https://www.mhlw.go.jp/content/12300000/001016043.pdf、国土交通省「住宅・建築物関係の支援事業一覧」https://www.mlit.go.jp/jutakukentiku/house/shienjigyo.html ↩︎
- 財務省「令和8年度税制改正の大綱」https://www.mof.go.jp/tax_policy/tax_reform/outline/fy2026/08taikou_01.htm ↩︎