「親の介護が必要になったら、どんなサービスが受けられるんだろう?」
「介護保険って言葉は聞くけど、手続きが難しそうで、何から始めればいいか分からない…」
「費用はいくらかかるの?自己負担はどのくらい?」
いざご家族の介護が現実味を帯びてくると、こうした疑問が次々に湧いてきますよね。仕事や子育てと並行しながら、慣れない制度を一から調べるのは大変なことです。情報があふれていて、かえって「結局どうすればいいの?」と迷ってしまう方も少なくありません。
そんな方のために、この記事では介護保険サービスの全体像を1枚の地図のように整理しました。
制度の基本から、利用開始までの手順、サービスの種類、そして気になる費用・自己負担まで、初めての方でも順番に理解できるよう、やさしく解説します。難しそうに見える介護保険も、進む順番さえ分かれば怖くありません。
制度を正しく知り、上手に活用すること。それが、あなたと大切なご家族の安心な介護生活への、最初の一歩です。一緒に確認していきましょう。
【3分で全体像】介護保険サービス利用までの5ステップ早わかり

介護保険のことを調べ始めると、専門用語や手続きが次々に出てきて、「結局、何から手をつければいいの?」と感じてしまいますよね。そこでまず、利用までの大きな流れを5つのステップでつかんでおきましょう。
細かい話に入る前に、この地図を頭に入れておくだけで、迷いはぐっと減ります。
- 相談する
「何から始めればいいか分からない」なら、まずは地域包括支援センターか市区町村の窓口へ。無料で相談できます。(→本記事「申請から利用開始までの流れ」へ) - 申請して要介護認定を受ける
サービスを使うには「介護や支援が必要」と認定してもらう必要があります。- 認定を先に申請すべきかは、別記事「要介護認定は先に申請しておくべき?」へ。
- ケアプランを作る
ケアマネジャーと一緒に、どのサービスをどのくらい使うか計画します。作成費の自己負担はありません。 - サービスを使う
訪問介護・デイサービス・ショートステイなどを組み合わせて利用します。- 種類は、本記事「サービスの種類」へ。
- 費用を確認し、軽減制度を使う
自己負担は原則1割(所得により2〜3割)。上限を超えた分が戻る制度もあります。- 費用の内訳は、別記事「在宅介護の費用|月5〜10万円の内訳と負担を減らす6つの制度」へ。
介護保険は、ひとことで言えば「40歳以上のみんなで保険料を出し合い、介護が必要になったときに少ない自己負担でサービスを使える助け合いの制度」です。原則1割負担で、しかも自己負担には上限が設けられています。まずは「使える制度がある」と知るだけで、漠然とした不安はずいぶん軽くなるはずです。
介護保険制度の基本|対象になる人と自己負担のしくみ

まずは、介護保険制度がどんなものなのか、基本の仕組みを押さえておきましょう。要点だけ知っておけば十分です。
- 制度の目的:
加齢に伴って介護が必要になった高齢者を、社会全体で支えることを目的とした社会保険制度です。 - 運営する主体:
お住まいの各市区町村(東京23区を含む)が運営しています。窓口が身近にあるのはそのためです。 - 保険料を払う人(被保険者):
- 第1号被保険者:65歳以上の方
- 第2号被保険者:40歳〜64歳で公的医療保険に加入している方
- サービスを使える人:
- 65歳以上の方:市区町村から「要介護認定」または「要支援認定」を受けた方
- 40歳〜64歳の方:末期がんや関節リウマチなど、国が定める16の特定疾病が原因で介護が必要と認定された方
- 自己負担の割合:
利用料の原則1割。ただし一定以上の所得がある場合は2割または3割になります。
※詳しくは「費用と自己負担」で解説します。
つまり、対象になるのは「65歳以上で認定を受けた方」か「40〜64歳で特定の病気により介護が必要になった方」です。介護保険は自動的に使えるものではなく、申請して認定を受けることが出発点になります。
【使い方】申請から利用開始までの流れ(6ステップ)

では、実際にサービスを使うには何をすればよいのでしょうか。ここでは利用開始までを6つのステップで見ていきます。先ほどの5ステップを、もう少し具体的にしたものだと考えてください。
- STEP1相談する
まずはお住まいの地域の相談窓口へ。専門の職員が無料で相談に乗ってくれます。
- 市区町村の介護保険担当窓口:高齢者福祉課など。
- 地域包括支援センター:おおむね中学校区ごとに設置された高齢者の総合相談窓口。
- STEP2要介護認定を申請する
市区町村の窓口で「要介護認定」を申請します。主な持ち物は次のとおりです。
- 要介護・要支援認定申請書
- 介護保険被保険者証(65歳以上の方)
- 健康保険被保険者証(40〜64歳の方)
- 主治医の氏名・医療機関名がわかるもの(診察券など)
- STEP3認定調査を受ける
後日、認定調査員が自宅などを訪問し、心身の状態について約74項目の聞き取りを行います。同時に、市区町村から主治医へ「主治医意見書」の作成が依頼されます。
普段の様子を正確に伝えるため、ご家族の同席がとても重要です。「できることもあるが、できない日も多い」といった実情はメモにして渡すと伝わりやすくなります。
- STEP4審査・判定・認定結果の通知
判定は2段階で行われます。まず、調査結果をコンピュータで処理する一次判定、次に、主治医意見書や特記事項を加えて専門家が審査する二次判定(介護認定審査会)です。
結果は、自立(非該当)・要支援1〜2・要介護1〜5の8区分に分かれます。なお「要支援2」と「要介護1」は、リハビリなどで状態の改善が見込めるか、認知症で理解力が低下していないかといった点で振り分けられます1。身体介助の量だけで決まるわけではありません。
申請から原則30日以内に、認定結果が記載された「結果通知書」と、新しい「介護保険被保険者証」が郵送で届きます。
- STEP5ケアプラン(介護サービス計画)を作成する
どのサービスをどのくらい使うかの計画書「ケアプラン」を作成します。このケアプランがないと、サービスは利用できません。
- 要支援1・2:地域包括支援センターが「介護予防ケアプラン」を作成
- 要介護1〜5:居宅介護支援事業所のケアマネジャーが「ケアプラン」を作成
どちらも作成費の自己負担はありません。
ケアプランの良し悪しを左右するのが担当のケアマネジャーです。良いケアマネの選び方・探し方は別記事「ケアマネの選び方と探し方|良い担当を見極める7つの基準」で詳しく解説しています。
- STEP6サービス事業者と契約し、利用開始
ケアプランに沿って、訪問介護事業所やデイサービスなどと契約を結び、いよいよ利用がスタートします。
ここで知っておきたいのが「認定が出るまでの時間」です。結果通知は申請から原則30日以内とされていますが、実際には全国平均で約39.8日かかっており、30日以内に終わる市区町村は4分の1ほどにとどまります2。
そのため、「認定を待つ間に介護が回らない」という事態も起こり得ます。急ぎの場合は、認定結果を待たずに見込みでサービスを始められる「暫定ケアプラン」という方法もありますので、相談時にケアマネジャーへ確認するとよいでしょう。こうした事情があるからこそ、早めの相談・申請が安心につながります。
認定の申請タイミングについては、別記事「要介護認定は先に申請しておくべき?」、同居している場合の注意点は「介護認定は同居で不利?損しないために知るべき制度と対策」もあわせてご覧ください。
【一覧】介護保険サービスの種類

介護保険で使えるサービスは多岐にわたります。大きく分けると、「居宅サービス」「施設サービス」「地域密着型サービス」の3つです3。在宅介護を考えている方が中心に使うのは、自宅で暮らしながら利用する居宅サービスと地域密着型サービスになります。
居宅サービス|自宅で暮らしながら使う
居宅サービスは、利用シーンで考えると分かりやすくなります。「来てもらう・通う・泊まる・環境を整える」の4つです。
| シーン | 主なサービス | 内容 |
|---|---|---|
| 来てもらう (訪問) | 訪問介護/訪問入浴/訪問看護/訪問リハビリ | ヘルパーや看護師などが自宅を訪問し、入浴・排泄・食事の介助や家事援助、医療処置、リハビリなどを行います。 |
| 通う (通所) | 通所介護(デイサービス)/通所リハビリ(デイケア) | 施設に日帰りで通い、食事・入浴・機能訓練・レクリエーションなどを受けます。家族の負担軽減にもつながります。 |
| 泊まる (短期入所) | ショートステイ(短期入所生活介護/療養介護) | 施設に短期間宿泊し、介護や機能訓練を受けます。家族の用事や休息(レスパイト)のときに役立ちます。 |
| 環境を整える | 福祉用具貸与(レンタル)/特定福祉用具販売/住宅改修費の支給 | 車いす・介護ベッド・手すりなどのレンタルや、入浴・排泄用具の購入費補助、手すり設置・段差解消などの改修費補助が受けられます。 |
このうち特定福祉用具販売は年間10万円、住宅改修費は1つの住宅につき生涯20万円が上限です4。これらは後で説明する1か月の利用上限(区分支給限度基準額)とは別枠で使えます。
居宅サービスの代表である訪問介護について、「何を頼めて、何は頼めないのか」は、別記事「訪問介護とは?サービス内容、料金、依頼できること・できないこと」で詳しく解説しています。
施設サービス|施設に入所して使う
自宅での生活が難しくなったときに入所し、24時間体制で介護を受けるサービスです。主に3種類あります。
| 施設 | 対象・特徴 |
|---|---|
| 特別養護老人ホーム(特養) | 常時介護が必要で在宅生活が難しい方(原則要介護3以上)。生活の場として長く利用できます。 |
| 介護老人保健施設(老健) | 病状は安定しているがリハビリや看護・介護が必要な方。在宅復帰を目指す中間施設です。 |
| 介護医療院 | 長期的に医療と介護の両方が必要な方。医療機能と生活機能を兼ね備えています。 |
施設サービスでは、介護費の自己負担に加えて居住費や食費が別途かかります。在宅とどちらが負担を抑えられるかは状況によって変わるため、後の比較セクションもあわせてご覧ください。
地域密着型サービス|住み慣れた地域で暮らし続ける
要介護状態や認知症になっても、できるだけ住み慣れた地域で暮らし続けられるよう支えるサービスです。原則として、その市区町村に住む人だけが利用できます。主な種類は次のとおりです。
| サービス | 内容 |
|---|---|
| 定期巡回・随時対応型訪問介護看護 | 24時間対応。短時間の定期訪問と、緊急時のコールによる随時訪問を組み合わせます。 |
| 夜間対応型訪問介護 | 負担の集中しやすい夜間に特化した巡回・随時対応の訪問介護です。 |
| 小規模多機能型居宅介護 | 「通い」を中心に「訪問」「泊まり」を一つの事業所で柔軟に組み合わせて利用できます。 |
| 看護小規模多機能型居宅介護 | 小規模多機能に「訪問看護」を加えたもの。退院直後や看取り期など医療ニーズが高い方にも対応します。 |
| 認知症対応型通所介護 | 認知症の方に特化した、少人数で落ち着いた環境のデイサービスです。 |
| 認知症対応型共同生活介護(グループホーム) | 認知症の方が5〜9人で共同生活を送りながらケアを受けます(要支援1は対象外)。 |
どのサービスが合うかは、心身の状態や地域の事業所の状況によって変わります。ケアマネジャーとよく相談して決めるのがおすすめです。
なお、自治体によっては事業所が少なく、希望してもすぐ利用できない場合がある点には注意が必要です。
費用と自己負担|割合の決まり方・利用上限・軽減制度

サービスを使ううえで、いちばん気になるのが費用ですよね。ここでは「自己負担割合の決まり方」「1か月の利用上限」「負担を軽くする制度」の3つに分けて整理します。お金の不安は、仕組みを知るだけでかなり和らぎます。
自己負担割合(1〜3割)はどう決まる?
自己負担の割合は、本人の所得や年金収入に応じて決まります。毎年8月から翌年7月を1サイクルとして市区町村が判定し、「介護保険負担割合証」が交付されます5。
目安は次のとおりです。
| 負担割合 | 主な対象(目安) |
|---|---|
| 1割 | 合計所得金額160万円未満の方。または40〜64歳の方、住民税非課税の方、生活保護受給者など。 |
| 2割 | 合計所得160万円以上の方で、年金収入+その他所得が単身280万円以上340万円未満(夫婦など65歳以上が複数の世帯は346万円以上463万円未満)の方。 |
| 3割 | 合計所得220万円以上の方で、年金収入+その他所得が単身340万円以上(複数世帯は463万円以上)の方。 |
注意したいのは、所得が境界線の近くにある場合です。
わずかな所得の変動で、翌年度の割合が1割から2割へ上がることもあります。ご自身の割合は負担割合証で確認できますので、迷ったら市区町村やケアマネジャーに尋ねてみましょう。
判定基準や軽減策をくわしく知りたい方は、「介護保険の負担割合|1・2・3割の判定フローと軽減策」もあわせてご覧ください。
1か月の利用上限「区分支給限度基準額」
居宅サービスには、要介護度ごとに1か月に介護保険を使える上限「区分支給限度基準額」があります。この範囲内なら自己負担は1〜3割で済みますが、上限を超えた分は全額自己負担になるので注意してください。
上限は全国一律の「単位」で定められています6。
実際の金額は「1単位=原則10円」で計算しますが、地域によって単価が少し変わります(都市部ほど高め)。下の表は「1単位=10円」で換算した目安です。
区分支給限度基準額(1か月あたり・令和6年度/1単位10円換算の目安)
| 要介護度 | 支給限度額(単位) | 金額の目安 | 自己負担1割の目安 |
|---|---|---|---|
| 要支援1 | 5,032単位 | 約50,320円 | 約5,032円 |
| 要支援2 | 10,531単位 | 約105,310円 | 約10,531円 |
| 要介護1 | 16,765単位 | 約167,650円 | 約16,765円 |
| 要介護2 | 19,705単位 | 約197,050円 | 約19,705円 |
| 要介護3 | 27,048単位 | 約270,480円 | 約27,048円 |
| 要介護4 | 30,938単位 | 約309,380円 | 約30,938円 |
| 要介護5 | 36,217単位 | 約362,170円 | 約36,217円 |
金額は地域区分やサービスの加算・減算によって実際とは異なります。最新の単位数・単価はお住まいの市区町村や厚生労働省の情報でご確認ください。なお、先ほどの福祉用具販売(年10万円)や住宅改修(生涯20万円)は、この上限とは別枠です。
要介護度ごとの状態像の違いや、区分別に受けられるサービスをもっと詳しく知りたい方は、「要介護度とは?8段階の違いと受けられるサービス一覧」もあわせてご覧ください。
自己負担を軽くする制度
負担が重くなりすぎないよう、軽減のための制度も用意されています。代表的なものが「高額介護サービス費」です。1か月の自己負担の合計が上限を超えると、申請により超えた分が後から払い戻されます7。
申請の手順や必要書類、いくら戻るかは「高額介護サービス費でいくら戻る?申請4ステップを解説」でくわしく紹介しています。
| 所得区分(世帯) | 1か月の自己負担上限 |
|---|---|
| 生活保護受給者など | 15,000円 |
| 住民税非課税世帯 | 24,600円 |
| 一般(課税世帯) | 44,400円 |
| 現役並み所得(課税所得380〜690万円未満) | 93,000円 |
| 現役並み所得(課税所得690万円以上) | 140,100円 |
ただし、この上限の対象は「介護保険サービスの自己負担分」だけです。施設やショートステイの居住費・食費、おむつ代、限度額を超えて全額自費で使った分などは含まれないため、実際の手出しは上限額より多くなる点に気をつけましょう。
このほか、医療と介護の自己負担を年間で合算する「高額医療・高額介護合算療養費制度」や、低所得の方向けの施設の食費・居住費の軽減制度などもあります。
費用の内訳や月いくらかかるかの具体的なシミュレーションは、別記事「在宅介護の費用|月5〜10万円の内訳と負担を減らす6つの制度」で詳しく解説しています。どの軽減制度が使えるかは、必ず市区町村の窓口やケアマネジャーに確認しましょう。
在宅で支えるという選択肢|サービスの組み合わせ例

「在宅で介護を続けられるのか、それとも施設を考えるべきか」――これは多くのご家族が最初に迷うところです。判断の参考に、実際の利用状況を見てみましょう。
介護保険の受給者のうち、大多数は施設ではなく在宅系のサービスを利用しています。
居宅サービスが約422万人、地域密着型サービスが約91万人で、合わせて約513万人にのぼります(令和6年4月時点)8。つまり、サービスを上手に組み合わせて自宅で支えるのは、特別なことではなく標準的な選択肢だと言えます。
たとえば要介護2の方であれば、次のような組み合わせが考えられます。あくまで一例で、実際はケアマネジャーと相談して決めます。
- 週2〜3回のデイサービスで入浴・機能訓練・人との交流
- 週数回の訪問介護で身体介助や生活援助
- 月数日のショートステイで家族が休息(レスパイト)
- 福祉用具のレンタル(介護ベッド・手すりなど)で生活環境を安全に
こうしたプランを区分支給限度額の範囲で組むのが基本です。上限を超えれば全額自己負担になるため、優先順位をつけて組み立てます。
費用感の試算は別記事「在宅介護の費用|月5〜10万円の内訳と負担を減らす6つの制度」、訪問介護でできること・できないことは「訪問介護とは?サービス内容、料金、依頼できること・できないこと」が参考になります。
サービスを活かすカギは「住まい」の環境

ここまで様々なサービスを見てきましたが、見落とされがちな大切な視点があります。それは、サービスの効果は「住まい」の環境に大きく左右されるということです。
たとえば、次のような「サービスを受けにくい家」を想像してみてください。
- 訪問入浴を頼みたいのに…
→ 専用の浴槽を運び込むスペースや、給排水の動線が確保できない。 - 入浴介助を頼みたいのに…
→ 浴室が狭く、ヘルパーが介助するスペースがなく転倒の危険が高い。 - 福祉用具をレンタルしたいのに…
→ 介護ベッドを置くと部屋が埋まる。廊下が狭く車いすが通れない。
これでは、せっかくの介護保険サービスも十分に活かせません。安全で質の高いケアを受けるには、住環境を整えることをサービス利用と一体で考えることが大切だと考えられます。
では、その住環境はどう整えればよいのでしょうか。次に選択肢を比較してみましょう。
住環境の整え方を比較する(リフォーム・住み替え・施設・別棟)

介護に適した住まいを整える方法は、大きく4つあります。それぞれに向き・不向きがあり、「どれが正解」というものではありません。ご家庭の条件に照らして比べてみてください。
| 選択肢 | 向いているケース | 注意したい点 |
|---|---|---|
| ①介護リフォーム | 今の家の構造を活かせる。手すり・段差解消など部分的な改修で足りる場合。 | 住宅改修費の補助は生涯20万円が上限。間取りや構造によっては限界がある。 |
| ②住み替え・建て替え | 根本的に住環境を変えたい場合。家族構成の変化も見据えたい場合。 | 費用と手間が大きい。解体費は一般に約150〜300万円かかることもある。 |
| ③施設入居 | 常時の介護や医療が必要で、在宅では支えきれない場合。 | 居住費・食費が毎月かかる。住み慣れた家を離れる心理的負担も。 |
| ④庭に別棟(介護ハウス) | 自宅を活かしつつ、独立した介護空間が欲しい場合。庭にスペースがある場合。 | 設置できる土地・法規制の確認が必要。庭がない場合は選べない。 |
比べるときは、費用(初期・運用)/工期・手間/プライバシー/介護のしやすさ/将来どうするか(売却・撤去など)/設置・法規の条件という6つの観点で見ると整理しやすくなります。
介護リフォームの費用と補助金は記事「【2026年最新】介護リフォームの費用と補助金・減税7つの要点」、施設も含めた住まいの選び方は「【2026年版】介護はどこで?自宅か施設か5選択肢を4軸で比較」が参考になります。
【選択肢の一つ】別棟介護という住まい「C’ZB(シーズビー)シニアリビング」

「リフォームでは限界があるけれど、施設や住み替えまでは踏み切れない」――そんな方の選択肢の一つが、私たち株式会社アイデアの「C’ZB(シーズビー)シニアリビング」です。自宅の庭に設置する、介護専用の別棟(離れ)です。
まず、仕様を整理します
- 工場で完成させた建物をクレーン付きトラックで運び、リフォーム工事なしで設置できます。
- バリアフリーが標準仕様。冬の寒さや夏の暑さに配慮した高断熱です。
- 給排水の接続でトイレ・お風呂の設置も可能。1ユニットは6.0m×2.4m(駐車場1台分より少し大きい程度)。
- 法律上は「居宅」の扱いとなるため、訪問介護やデイサービスなどの在宅サービスを利用できます。
- 使い終わった後は買取が可能な場合があり、解体費がかからないこともあります。
介護保険サービスと相性が良いと考えられる理由
- 在宅サービスを前提とした設計
訪問介護・訪問看護・訪問入浴をスムーズに受けられるよう、介助スペースと動線を確保。介護ベッドや車いすの設置もはじめから想定できます。 - 改修の手間・費用を抑えやすい
バリアフリーが標準のため、後から手すりや段差解消の工事を重ねる必要が少なくなります。 - プライバシーを保ちやすい
母屋と独立しているため、ヘルパーや看護師の出入りを家族が気にしにくく、本人も気兼ねなくケアに集中しやすくなります。 - 施設のような毎月の居住費がかからない
「居宅」扱いのため、施設のような高額な居住費・管理費は基本的に発生しません。月々の負担は介護保険の自己負担分と光熱費などが中心になります。
向かないケース
一方で、次のような場合には別棟介護は向きません。
- 設置できる庭のスペースがない、または土地の法規制・設置条件を満たさない場合。
- ごく短期間だけの利用を想定している場合 ※初期費用との兼ね合いで割に合わないことがあります。
- 常時の医療的ケアが必要で、施設のほうが適している場合。
離れ・別棟で介護保険を使うときの具体的な対象サービスや注意点は、別記事「介護ハウス(離れ)で介護保険は使える?対象サービスと賢い使い方」で詳しく解説しています。設置条件や法規制は地域によって異なるため、最新情報をご確認ください。
よくある質問
- Q介護保険の自己負担は、誰でも1割ですか?
- A
原則は1割ですが、所得が高い方は2割または3割になります。割合は本人の合計所得金額や年金収入などに応じて毎年判定され、「介護保険負担割合証」で通知されます。ご自身の割合は、この負担割合証か、市区町村・ケアマネジャーへの確認で分かります。
- Q申請してから、サービスを使えるまで何日かかりますか?
- A
認定結果の通知は申請から原則30日以内とされていますが、実際は全国平均で約40日かかっています。急ぎの場合は、結果を待たずに見込みでサービスを始められる「暫定ケアプラン」という方法もあります。早めに地域包括支援センターやケアマネジャーへ相談しておくと安心です。
- Q1か月の利用上限を超えたら、どうなりますか?
- A
上限(区分支給限度基準額)を超えた分は、全額自己負担になります。限度額の範囲内なら自己負担は1〜3割で済みますが、超過分には保険が使えません。そのため、ケアマネジャーと相談し、優先順位をつけてサービスを組み立てることが大切です
- Q介護保険で、住宅改修や福祉用具にも使えますか?
- A
はい、使えます。手すりの取り付けや段差解消などの住宅改修は1つの住宅につき生涯20万円、入浴・排泄用具などの特定福祉用具販売は年間10万円が支給の上限です。これらは1か月の利用上限とは別枠で利用できます。車いすや介護ベッドはレンタルの対象です。
- Q庭に建てた離れ(別棟)でも介護保険は使えますか?
- A
離れが「居宅」として扱われる場合は、訪問介護やデイサービスなどの在宅サービスを利用できます。ただし対象となるサービスや利用時の注意点には条件があります。詳しくは別記事「介護ハウス(離れ)で介護保険は使える?対象サービスと賢い使い方」をご覧ください。
まとめ|介護保険は「知る・相談する」ことから始まる
介護保険制度は、一見すると複雑です。けれどもその中身は、介護が必要になったご家族とあなたの暮らしを支えるための、心強いセーフティネットです。仕組みと進む順番さえ分かれば、必要以上に身構える必要はありません。
この記事のポイントを、最後に整理しておきましょう。
- 利用の流れは「相談→申請・認定→ケアプラン→利用→費用確認」。まずは全体像を地図として持つ
- サービスは居宅・施設・地域密着型に分かれ、在宅は「来てもらう・通う・泊まる・環境を整える」で組み立てる
- 自己負担は原則1割(所得により2〜3割)。利用には1か月の上限があり、超過分は全額自己負担
- 高額介護サービス費など負担を軽くする制度がある。使えるかは市区町村・ケアマネジャーへ確認を
- サービスの効果は「住まい」の環境にも左右される。整え方は複数の選択肢から比較して選ぶ
大切なのは、一人で抱え込まず、まずは地域包括支援センターや市区町村の窓口に相談することです。
被保険者証や、かかりつけ医がわかるものを持っていくと話がスムーズです。認定には時間がかかることもあるので、「そろそろかも」と感じた段階での早めの一歩が、後の安心につながります。
そして、サービスを最大限に活かすための住まいづくりも、ぜひ一緒に考えてみてください。庭に設置する別棟介護「C’ZB(シーズビー)シニアリビング」も、在宅介護を支える住まいの選択肢の一つです。気になる方は、まずは気軽に情報をのぞいてみてください。
脚注(出典一覧)
- 厚生労働省「要支援2と要介護1の『維持・改善』及び『悪化』の推移について」https://www.mhlw.go.jp/shingi/2008/06/dl/s0618-10k_0011.pdf
要支援2と要介護1は状態の維持・改善可能性や認知症の状況等により振り分けられる。 ↩︎ - 厚生労働省「要介護認定の認定審査期間について」https://www.mhlw.go.jp/content/12300000/001415212.pdf
申請から二次判定完了までの全国平均は約39.8日、30日以内に完了した保険者は約25.1%。 ↩︎ - 厚生労働省「介護サービスの種類」https://www.mhlw.go.jp/shingi/2009/05/dl/s0521-3c_0014.pdf
サービスは居宅・施設・地域密着型・介護予防に分類され、地域密着型は原則として当該市区町村の住民が対象。 ↩︎ - 特定福祉用具販売は年間(4月〜翌3月)10万円、住宅改修費は同一住宅につき生涯20万円が支給上限。要介護度が3段階以上重度化した場合等の例外給付あり。厚生労働省「介護保険における福祉用具・住宅改修」関連の告示・通知および各自治体の住宅改修費支給要綱に基づく。 ↩︎
- 厚生労働省「給付と負担について(資料)」https://www.mhlw.go.jp/content/12300000/001176033.pdf
自己負担割合は前年の所得等に基づき毎年判定され、介護保険負担割合証で通知される。 ↩︎ - 厚生労働省「居宅介護サービス費等区分支給限度基準額及び介護予防サービス費等区分支給限度基準額」https://www.mhlw.go.jp/web/t_doc?dataId=82aa0267&dataType=0&pageNo=1
平成12年厚生省告示第33号を根拠とし、令和6年度改定を反映。1単位あたりの単価は地域区分により異なる(その他地域は1単位10円、都市部は上乗せ)。 ↩︎ - 厚生労働省「高額介護サービス費の負担限度額が見直されます」https://www.mhlw.go.jp/content/000334526.pdf
所得区分ごとの月額自己負担上限(44,400円〜140,100円等)。 ↩︎ - 厚生労働省「介護保険事業状況報告(令和6年4月暫定版)」https://www.mhlw.go.jp/topics/kaigo/osirase/jigyo/m24/dl/2404a.pdf
居宅(介護予防)サービス受給者約422.4万人、地域密着型サービス受給者約91.0万人。 ↩︎